最新の新築住宅補助金と税制優遇制度|2025年の変更点と申請ポイントを解説
2050年カーボンニュートラルの実現に向けた、「省エネ」「脱炭素」政策が住宅分野でも推進され、2025年4月からは省エネ基準の適合が義務化、2030年にはこの基準が「ZEH水準」に引き上げられる見通しです。
省エネ性能の高い新築を建てる場合、建築費用は高くなりがちですが、光熱費の削減効果により、快適でエコな暮らしが目指せます。
そこで今回は、これから新築をお考えの方向けに、初期費用が抑えられる最新の補助金・税制優遇制度のポイントや活用方法を解説します。
ぜひ、初期費用とランニングコストのバランスを考えた資金計画で、理想のマイホームを実現させましょう。
このコラムのポイント |
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目次
2025年最新|新築住宅で使える補助金・助成金一覧
まずは、2025年に実施される新築住宅を対象にした補助金・助成金制度の種類と特徴を見てみましょう。
子育てグリーン住宅支援事業
「子育てグリーン住宅支援事業」は、2024年の「子育てエコホーム支援事業」に代わり創設された補助金制度です。
省エネ住宅の新築や既存住宅の省エネリフォームを対象とした支援で、最大160万円の補助が受けられる、「GX志向型住宅」(ZEH水準を大きく上回る基準)が新しく設定されています。
「新築」補助金の対象
- 注文住宅の新築
- 新築分譲住宅の購入
- 賃貸住宅の新築
参考:住宅省エネ2025キャンペーン|子育てグリーン住宅支援
対象世帯は、「GX志向型住宅」で全ての世帯、「長期優良住宅」と「ZEH水準住宅」で子育て世帯等*となっており、長期優良住宅とZEH水準住宅の場合は、建て替えかどうかで補助額が変わります。
*子育て世帯等:18歳未満の子を有する世帯または夫婦のいずれかが39歳以下の若者夫婦世帯
画像引用元:国土交通省|子育てグリーン住宅支援の概要
子育てグリーン住宅支援事業は、高い省エネ性能を備えた住まいの建築を支援し、脱炭素社会の実現を後押しする制度で、2024年11月22日以降に棟上げされた建物が対象となっています。
また、蓄電池を設置する場合は、DRに対応したリソース導入拡大支援事業(仮)との併用が可能で、導入費用1/3以内の補助金も同時に受け取れる場合があります。
画像引用元:経済産業省|令和6年度補正予算案における省エネ支援パッケージ
戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業
「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業」(ZEH補助金)は、年間の一次エネルギー消費量を実質的にゼロ以下にするZEH住宅に関する補助金制度です。
事業の目的
- 災害時でも電力が確保でき、ヒートショック対策にもなる健康で快適なZEH(ゼッチ)の普及や高断熱化の推進。
- 住宅の高断熱化による省エネ・省CO2化を一層促進し、「ウェルビーイング/高い生活の質」の向上につなげる。
- 2030年度の家庭部門からのCO2排出量約7割削減(2013年度比)に貢献。
引用:環境省|戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業
2025年も継続して予算案が組まれ、例年通りであれば、5月頃に申請受付が開始される見込みです。
対象世帯等の条件はありませんが、対象住宅が「ZEH」か「ZEH+」かによって補助額が異なります。
基本「補助額」の違い
- ZEH:55万円/戸
- ZEH+:90万円/戸(2024年より10万円減額)
補助金制度を活用するためには、以下のような条件を満たさなければいけません。
「ZEH」「ZEH+」の主な要件
- 地域区分に応じた断熱性能(断熱等性能等級級5以上)
- 一般住宅と比較して20%(ZEH)・25%(ZEH+)以上の一次エネルギー消費量の削減
- 太陽光発電の搭載など
また、蓄電システムなどの設備導入により、追加補助も受けられる場合があります。
自治体の補助金・助成金
国が実施する新築補助金以外にも各自治体が独自に支援する制度を利用する方法もあります。
省エネ性能の高い住宅や子育て世帯の家づくり支援を目的とした補助金・助成金制度が設けられている場合があるので、依頼する住宅会社や建設予定地の自治体窓口に確認してみましょう。
>関連コラム:新築住宅の省エネ基準義務化にはどう対応すべき?2025年最新の性能向上ポイントと費用対策
>関連コラム:【京都市の補助金】太陽光・蓄電池利用を促進する「京都再エネクラブ」を解説
2025年の新築住宅補助金で注目すべき変更点
2025年は、住宅省エネ2025キャンペーンの「子育てグリーン住宅支援事業」が「子育てエコホーム支援事業」からリニューアルされるなど、支援内容にもいくつかの変更があります。
ここでは、子育てグリーン住宅支援事業で新設された「GX志向型住宅」のポイントと、「長期優良住宅」「ZEH水準住宅」の変更点について押さえておきましょう。
GX志向型住宅支援制度の新設
2025年の新築補助金における大きな変更点として、2024年11月22日に国土交通省・環境省で閣議決定された「GX志向型住宅」の新設が挙げられます。
GXは、グリーントランスフォーメーションの略で、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを強化する目的で、従来のZEH水準よりも高い省エネ性能を有する住宅が支援されます。
家庭部門のCO2排出量の削減効果が期待されるGX志向型住宅では、全ての世帯が対象で、補助額は過去最大の160万円です。
なお、GX志向型住宅として適合する条件は以下の通りです。
- 断熱性能等級6以上
- 再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率35%以上
- 再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率100%以上*
*寒冷地に限り75%以上も可(Nearly ZEH)、都市部狭小地等の場合に限り再生可能エネルギー未導入も可(ZEH Oriented)、共同住宅は別途階数ごとに設定される。
長期優良住宅・ZEH水準住宅の建て替え加算
また、「長期優良住宅」と「ZEH水準住宅」における建て替え加算の新設により、既存住宅の解体を伴う新築の場合は、20万円の補助金が加算されます。
ZEH水準住宅の補助金減額
一方、「ZEH水準住宅」では、補助額が2024年の80万円から40万円に引き下げられており、これは国がより高性能な省エネ住宅の建設を促進する意向であることが伺えます。
>関連コラム:長期優良住宅とZEHの性能や補助金、住宅ローン控除の違い|比較時の注意ポイントを解説
新築住宅で活用できる税制優遇制度一覧
国や自治体の補助金・助成金制度だけでなく、新築検討時には税制優遇制度による費用負担の軽減方法も把握しておきましょう。
省エネ基準適合住宅の住宅ローン控除
省エネ基準を満たした新築住宅では、「住宅ローン控除」の適用を受けることで税負担の軽減が可能です。
住宅ローン控除は、新築・増改築の場合に、年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税(住民税)から最長13年間減額される制度です。
対象となる省エネ住宅は以下のようになっています。
画像引用元:国土交通省|住宅ローン減税等に係る所要の措置(所得税・個人住民税)
新築の場合は、長期優良住宅・低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅で2024年と同様の措置が引き続き実施されます。
>関連コラム:2025年から義務化される?省エネ住宅基準適合とは|省エネ住宅の基準や種類、性能について
>関連コラム:注文住宅の住宅ローン活用ガイド|審査から支払いまでの流れや実行のタイミングを解説
贈与税の非課税措置等の延長
父母や祖父母などの直系親族から子や孫に新築資金を贈与された場合は、一定額まで贈与税が非課税となる制度が2026年12月31日まで延長されています。
通常、直系親族から贈与を受ける際、基礎控除額の110万円/年を超える部分には、贈与税が課税されるため、住宅取得資金を受ける予定がある場合は、この非課税特例も把握しておきましょう。
なお対象住宅が、省エネ等住宅の場合には1,000万円まで、それ以外の住宅の場合は500万円までの住宅取得等資金の贈与が非課税となります。
参考:国税庁|直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
また、床面積が50㎡以上*であることが条件で、暦年課税や相続時精算課税の非課税枠との併用も可能です。
*合計所得金額が1,000万円以下の場合は「40㎡以上50㎡未満」が適用される。
新築住宅に係る税額の減税措置延長
新築戸建ての120㎡相当部分の固定資産税が3年間1/2に減額される特例措置も2026年3月31日まで延長されます。
良質な住宅建設の促進と居住水準の向上、良質な住宅ストックの形成を図るための措置で、新築が認定長期優良住宅の場合は、固定資産税が5年間1/2に減額されます。
登録免許税の税率軽減措置
新築住宅を取得した際の所有権保存登記の「登録免許税」が軽減される制度です。
通常、登録免許税の税率は固定資産評価額の0.4%ですが、長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合は、0.1%に軽減されます。
また、所有権移転登記の場合は、税率2.0%から長期優良住宅で0.2%、認定低炭素住宅で0.1%に減免されます。
不動産所得税に係る特例措置
住宅を取得した場合の不動産取得税の税率を3%に軽減する特例措置は、2027年3月31まで適用されます。
また、新築住宅を取得した際は、不動産取得税の「課税評価額」から1,200万円が控除され税額計算され、長期優良住宅の場合は控除額が1,300万円となります。
>関連コラム:住宅ローンの変動金利は今後どうなる?|2025年1月追加利上げ決定後の動向と対策
新築住宅補助金の申請方法と注意ポイント
>【断熱等級7・耐震等級3・全館空調の家】the Class モデルハウス見学【岩倉中河原町】
最後に、補助金申請の方法や受け取り時期に関する注意ポイントを紹介します。
申請方法と必要書類
補助金申請は、大きくわけて2つの方法があります。
- 住宅会社が申請手続きを代行する方法
- お施主様が直接申請する方法
今回紹介した国の補助金制度の場合は、ハウスメーカーや工務店が「登録事業者」として申請を代行します。
また、申請に必要な書類も補助金制度の種類によって異なるため、事前に依頼する住宅会社に相談しながら、準備を進めていきましょう。
補助金申請に必要な主な書類
- 補助金交付申請書
- 工事請負契約書
- 建築基準法に基づく「確認済証」
- 住宅の性能を照明する住宅証明書等(住戸)
- 建築確認申請書
- 建築主の本人と家族構成の確認ができる住民票(世帯票)の写し等 など
補助金受け取り時期の目安
補助金の受け取りは、新築にかかった費用に対して後払いで交付されるため、手付金や着工金、中間金などに充てられない点に注意しましょう。
また書類の不備などがあった場合は、受け取りが遅れる可能性もあるため、適切な資金計画と申請準備を進めておくことが大切です。
計画的な情報収集と準備が大切
なお、国や自治体の補助金・助成金制度には、申請期限や予算が上限に達した場合の早期終了の可能性があるため、補助金活用をお考えの場合は、できるだけ早めに情報収集や準備をしておきましょう。
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まとめ│最新の住宅補助金をチェックして理想の新築を実現
>光が降り注ぐ吹抜リビングとアウトドアリビングのある省エネ快適分譲住宅
2025年以降の家づくりでは、長く快適に住まえる高性能な省エネ住宅を新築住宅補助金や税制優遇制度を賢く活用しながら実現させることがポイントになります。
補助金によっては、併用や追加補助が可能な制度もあるため、住宅会社とよく相談しながら、ご家族の家づくりプランに合った支援を検討してみましょう。
三都の森では、専門家によるサポートと最新情報を活用した、理想のマイホームのための資金計画をご提案します。
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