京都の気候の特徴に合う住みやすさが続く家とは?
京都は四季折々の自然を楽しみ、日本の歴史的な文化と身近に触れあうチャンスに恵まれた土地です。古くから文化の中心として栄えてきた地域なので、現在も上質な生活ができる土地柄が続いています。
ただ、京都は寒暖の差が激しい気候の土地でもあります。住みにくい土地にしない為には、住みやすい環境を調える家づくりが求められます。
目次
京都の気候の特徴
京都には風光明媚なだけではなく、交通や買い物の利便性や教育レベルの高さがあり、日常的に伝統工芸などの名品や美味しい物との出会いが多い街です。ただ、気候という面からは良いことばかりではありません。
京都の年間の平均降水量は1,545.4㎜、梅雨の時期には約230㎜となるほど雨が多く、平均気温は15.6℃です。加えて、東山、北山、西山などの山々に三方を囲まれ、京都盆地と山科盆地、丹波高地という地形の構成になっている為、盆地特有の気候の特徴があります。
その為、夏は蒸し暑く、冬は寒いという寒暖の差が激しい気候です。特に冬は「京の底冷え」と言われるほどの冷え込みです。寒さには風によって体の表面の熱が奪われる風冷え、湿度の高さによって寒さを感じ湿気寒、そして足元から冷えが体中に伝わり寒さを感じる底冷えがあります。
京都の底冷えのする気候は、寒さ対策をしないと日々の暮らしには厳しい気候です。ただ、この多湿と冷え込みという2つの組み合わせが、京都の伝統工芸である絹織物や漆工芸を発展させてきたという面もあります。
また、盆地には風の通り抜けが少ないという特徴があります。夏の暑い時期でも、風が吹き抜けていく地形の土地では爽やかに過ごせます。一方、盆地では「油照り」と言われるような薄曇りで風が吹かず、じっとりとした蒸し暑さの日が続きます。
この気候は室内にいても、熱中症を発生する恐れのある気候です。加えて、京都市の市街地は都市気候化の傾向があり平均気温が上昇しています。京都の家づくりには、断熱性を高めることと同時に、家の中に風を通り抜けさせること、空気を循環させることが求められます。
参考サイト:京都(京都府京都市)環境省
京都の気候の特徴に合わせて造られてきた京町家
ウナギの寝床と呼ばれる「間口が狭く奥行きの深い敷地」に建てられた京町屋には、京都の気候の特徴に合わせた先人の知恵が詰まっています。それは盆地特有の気候と、都であるが故に人口が多いという2つの条件から、狭小地に風通しの良い家を建てる為の知恵です。
通りから座敷と台所を通り抜け、敷地の奥にある奥庭まで続く通り庭と呼ばれる通り土間や、通り土間と座敷を挟んで配置された坪庭は、光と風を採り入れ、家の中の空気を循環させる為の工夫です。さらに、高窓や天窓は陽射しを採り入れるだけではなく、立体的な風の通り道を生み出し、より風の対流を促します。
木材や漆喰の塗り壁を使っていることや、風通しと日当たりに配慮されていることなどから、快適さと共に家族が健康に暮らせる家でもありました。そして現代においては、このような先人の知恵に学ぶ部分に加え、先端の技術を採り入れた暮らしやすい家が求められます。
日本の家づくりに受け継がれてきた採風や採光といった「自然との賢い付き合い方」「屋内環境と家族の健康に貢献する自然素材」などの良い部分を活かし、最新の技術を活かす家とはどのような家なのでしょうか?
高断熱の家
国を挙げて省エネ住宅を推進している現在、快適と省エネを同時に実現する断熱性は、すべての住宅に求められる住宅性能です。そして、寒暖の差が激しい気候である京都の家には、より高い断熱性が求められます。断熱性の高さによって屋内の温度調整のしやすさが変わるからです。
現在、日本国内では住宅の断熱性には大きな幅がある為、UA値と地域区分によって断熱性能等級が定められています。京都府には5地域と6地域があり、京都市は6地域にあたります。
断熱性能等級 京都府の地域区分 | |
5地域 | 福知山市、綾部市、宮津市、亀岡市、京丹後市、南丹市(旧美山町)、南丹市(旧園部町、旧八木町、旧日吉町)、宇治田原町、笠置町、和束町、南山城村、京丹波町、与謝野町 |
6地域 | 京都市、舞鶴市、宇治市、城陽市、向日市、長岡京市、八幡市、京田辺市、木津川市、大山崎町、久御山町、井手町、精華町、伊根町 |
ここでは参考の為、住宅性能表示制度での省エネ性能に係る6地域の断熱性能等級と、その意味するところを確認しておきましょう。
6地域の断熱性能等級 | ||
等級 | UA値 | 等級に対する説明 |
1 | その他 | |
2 | 1.67 | 熱損失の小さな削減のための対策が講じられている |
3 | 1.54 | 熱損失等の一定程度の削減のための対策が講じられている |
4 | 0.87 | 熱損失等の大きな削減のための対策(建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令に定める建築物エネルギー消費性能基準に相当する程度)が講じられている |
5 | 0.6 | 熱損失等のより大きな削減のための対策が講じられている |
6 | 0.46 | 熱損失等の著しい削減のための対策が講じられている |
7 | 0.26 | 熱損失等のより著しい削減のための対策が講じられている |
出典:住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設 国土交通省
UA値とは、屋根、壁、開口部、床など住宅が外気に接している面(外皮)全てからの熱の流出量の平均値です。UA値が低いほど、暖房の熱が逃げない状況が生まれるので、少ないエネルギーで快適な室温が維持できます。
断熱性能等級では、省エネという観点から断熱性能の基準を設けていますが、暮らしの快適性から考えるHEAT20(ヒート20)という基準もあります。外皮平均熱貫流率UA値を満たすことは、あくまでその目安にすぎず、「住まいの健康」と「住まい手の暮らしやすさの向上や温度ストレスをなくすこと」がHEAT20の目標です。
具体的には6地域においては室温が概ね8℃を下回らないこと、エネルギーの削減率をグレードに応じで40%から75%にすることが挙げられます。ヒート20G3基準のUA値は断熱性能等級7と同じ0.26、G2は0.46です。
三都の森の家は、断熱性能等級6、ヒート20G2の基準であるUA値0.46をクリアする断熱性を備えています。
参考サイト:一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会 HEAT20とは?
空気環境の良さと快適さが調う家
家の中への熱の出入りを抑える為には、断熱性を高くすると同時に気密性を高める必要があります。ところが、気密性を高めるほど、空気の循環が滞ってしまうというジレンマに陥ります。そこで暖かさを逃がさず、きれいな空気環境を維持する為には、綿密な換気計画と空調システムが求められます。
ただ、どんなに優れた空調システムを採り入れたとしても、空気が循環する間取りになっていなければ、その効果はじゅうぶんに活かされません。その対策の一つとして、京町家にあったような吹き抜けや小屋裏空間を活かし、空気が循環しやすい間取りの家にすることが挙げられます。
また、自然素材を使うことも空気環境の良さに繋がります。無垢材やシラス壁など、有害な化学物質を揮発させない素材は空気をきれいにします。室内の湿度を最適に調整する素材は、カビの発生を防いで子供のアレルギー発症のリスクを抑えます。加えて乾燥を防いで冬の体感温度の低下、湿度上昇を抑えて夏の体感温度の上昇を防ぎます。
関連コラム シラス壁の特徴|メリット・デメリット、色や模様、珪藻土や漆喰との違いなど解説
いつまでも暮らしやすさが続く家
家を建てようと考える時に思い浮かぶことの一つに、「広々としたリビングで家族揃って和やかな時間を過ごす」イメージがあるではないでしょうか?その他にも暮らしやすい間取り、快適な室温など、家づくりには大切なことがたくさんあります。
その中で「いつまでも暮らしやすさが続く家」ということが、とても重要なポイントです。住宅の耐久性は目で見ることはできません。しかしながら、住宅がいつまでも健康な状態を維持できるということは、家族の快適な暮らしがいつまでも損なわれないということに繋がります。
快適さが続くということは家族の健康が維持しやすい状態が続くということです。その快適さを維持する為には、家という建物が健康でなくてはなりません。家が健康を維持する為には、住宅の耐久性が必要です。
京都での快適な家を建てる為には、京都の気候の特色に合った設計と住宅性能の家にすると共に、家族も家も健康を維持できる家という部分がとても大切です。
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〈施工事例〉
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地元に密着し、自社一貫施工で京都市での家づくりをサポートしております。
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