平屋はいくらで建てられる?平屋の「坪単価」相場と新築コストを抑える5つのポイント
「モダンでかっこいい平屋に憧れるけど、建築費用が高いのは心配」と敬遠気味の方も少なくないでしょう。
家づくりにかかる費用は、単に建物の大きさだけでなく間取りや構造、採用する建材や設備など、さまざまな要因によって変わります。
今回は、新築で平屋を建てる場合に知っておきたい「坪単価」の相場と「平屋は高い?」と言われる理由を分かりやすく解説します。
坪単価だけでは、予算を決めることはできませんが、家づくりに必要な費用の全体像を見ることで、コストの節約ポイントや優先順位の決め方を理解していきましょう。
このコラムのポイント |
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目次
平屋は高い?坪単価の相場と2階建てとの違い
注文住宅を建てる際、坪単価を目安の1つとして、大まかな予算を組んだり、依頼するハウスメーカーや工務店を決めたりする方も多いです。
しかし坪単価の算出方法は、施工会社によって異なる場合が多く、選ぶ間取りや設備、建材の違いによる価格変動もあるため、取り扱いには注意が必要です。
例えば平屋の場合、一般的な2階建てよりも坪単価が割高になると言われています。
まずは、坪単価の定義や平屋の相場について知識を深めてみましょう。
平屋の新築価格が決まる要因
新築の坪単価は、建物の「本体価格」を1坪あたりの単価で割り出した数値です。
例)
本体価格3,500万円の平屋の延べ床面積が60坪の場合、坪単価は約58万円となります。
平屋に限らず新築の坪単価は、建物の構造や間取り、設備、建材などの設計の他、土地条件によっても変わってきます。
特に平屋は、同じ延べ床面積の2階建てに比べて、屋根や基礎の面積が広くなるため、これらの部分のコストが増加しやすい傾向です。
また、「無垢の木」をふんだんに取り入れた家づくりや、人気の和モダン設計など、ローコスト素材では出せない味わいにこだわる場合、材料費や施工費が高くなる可能性も考慮しておきましょう。
新築平屋の費用相場
平屋の「坪単価」相場は、木造住宅で約40~70万円です。
こだわりの構造や設備、建材を採用する場合は、50~80万円以上になるケースもあります。
下記は、家族構成に合わせた間取り(部屋数)別の坪単価の相場で、坪数が大きくなれば「坪単価」も上がる傾向です。
坪数 | 間取り | 家族の人数 | 「坪単価」 |
17~20坪 | 1LDK | 1~2人 | 40~50万円 |
22~25坪 | 2LDK | 2~3人 | 50~60万円 |
27~30坪 | 3LDK | 3~4人 | 50~70万円 |
32~35坪以上 | 4LDK以上 | 4~5人以上 | 60~80万円以上 |
例えば、32坪(約106㎡)の平屋を坪単価60万円で建てる場合、建物の本体価格は約1,920万円となります。
加えて、全費用の約20%の別途付帯工事費や、全費用の約10%の諸費用が必要になるポイントも押さえておきましょう。
平屋は2階建てよりも坪単価が高い?
続いて、平屋の坪単価が2階建てよりも割高になりやすい理由について解説します。
平屋を建てる場合、1階フロアのみに必要な部屋を全てレイアウトする必要があり、同じ延べ床面積の2階建てと比較すると、単純に2倍程の広い敷地が必要です。
つまり、家を真上から見た時の「建物面積」が広くなるので、特に建築費用の中でも大きな割合を占める基礎や屋根の面積も大きくなるため、コストが高額になりやすいと言われています。
一般的なハウスメーカーのタイプ別に、平屋と2階建ての坪単価の目安を比較してみましょう。
タイプ | 平屋の「坪単価」相場 | 2階建ての「坪単価」相場 |
ローコストハウスメーカー | 40~50万円 | 30~40万円 |
中堅ハウスメーカー | 50~90万円 | 40~50万円 |
大手ハウスメーカー | 80~100万円以上 | 60~70万円以上 |
平屋は、2階建てよりも約20%割高になる傾向にあります。
しかし、シンプルな形状でメンテナンスにも有利な平屋は、将来の修復・修繕コストが抑えやすいのが魅力です。
新築の際は、初期費用だけでなく将来必要になる点検や工事にかかる費用についても、施工会社に確認しておくのがおすすめです。
土地代や固定資産税が上がる可能性
平屋を建てる場合、平均的な2階建てよりも広い敷地が必要になるため、その分土地の購入費も高くなります。
敷地面積が広くなれば、毎年課税される土地の固定資産税も上がるため、特に都市部や利便性の高い駅近エリアを選ぶ場合は注意しましょう。
また、前記で紹介したように、平屋は基礎や部屋の面積も大きくなるので、建物の固定資産税評価額も高くなる可能性があります。
これらを理解した上で、予算に応じた土地探しや固定資産税の見積り、維持費なども相談できるプロと、ライフスタイルに合わせた計画的なプランを検討するのが理想的です。
>関連コラム:平屋に必要な土地の広さと坪数の選び方|4~5人家族に最適な間取りは何坪?
土地選びの際は、用途地域の条件や「建ぺい率」を調べて、実際に建てられる平屋の高さや外観デザイン、建物面積などを確認しておくことも大切です。
>関連コラム:京都市の風致地区に建てる住宅の建ぺい率や緩和条件は第2種、第3種などの地域によってかわる
>関連コラム:京都市の用途地域|用途地域マップの検索方法、問い合わせ先、住宅の規制など簡単解説
坪単価だけで判断できない平屋の魅力
ここまでで、「やっぱり平屋を建てるのは慎重になった方がいい?」という方もいらっしゃるでしょう。
しかし、坪単価のみで判断してしまうと、暮らしの利便性や快適性に支障が出て後悔するケースも少なくありません。
特に、バリアフリーな暮らしをご希望の方や、大家族の家や二世帯住宅のような広い間取りを必要としないご家庭にとっては、平屋を建てる方がメリットが大きい場合もあります。
例えば、平屋のシンプルな建物形状や間取りは建築コストや、将来のメンテナンス費用を抑えられる大きなポイントです。
また、日々の家事負担が減らせる効率的な動線や、お子様から高齢のご家族まで安全に過ごせる段差のない生活など、暮らしに優しい点も幅広い世帯から支持を集める理由です。
>関連コラム:和モダンな平屋の外観・内装・間取り設計|和の素材で楽しむおしゃれな空間デザイン
新築平屋のコストを抑える5つの設計ポイント
それでは、できるだけ妥協のない範囲で、理想の平屋を予算内で建てるためのポイントを見てみましょう。
①シンプルで凹凸のない外観仕上げ
平屋の外観をシンプルにすることで、工事費用が抑えられます。
すっきりとした建物形状は、人気の和モダンスタイルなど洗練されたデザインに仕上げる場合にもおすすめで、複雑な凹凸がない分、余計な材料費や施工費がかかりません。
また、シンプルな外観デザインは耐久性にも優れ、長期的なメンテナンスコストの軽減にもつながります。
②廊下の必要性を検討する
廊下を減らした開放的な間取りで、必要な部屋数を確保しながら、費用を抑えるのもポイントです。
廊下が多い間取りの場合、部屋を区切るための壁や通路としての床面積が必要になるため、坪単価も高くなりがちです。
しかし、通路のためだけの廊下をなくせば、建築コストが抑えられるだけでなく、シンプルな動線や広い部屋の確保にも貢献できます。
③窓の効率的な配置
窓の配置やサイズ選びを工夫することで、建物の高さが低い平屋でも快適な日当たりと風通しが確保できます。
大きな窓や小窓を数多く設置する場合、1つの窓で10~50万円前後必要で、壁の強度や断熱性が下がる場合には、耐震・断熱補強にかかる追加費用も上乗せされる点に注意しましょう。
採光や通風の他にもプライバシー性・防犯性の確保も重要なので、建築設計のプロの詳しいアドバイスも参考にしながら、窓デザインや適切な位置選びを進めましょう。
④個室スタイルや部屋数の検討
将来、ご家族が増えた時に備えて部屋を多めに設けておきたいという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、子ども部屋など、お子様が独立後は余ってしまう部屋が生まれる可能性もあります。
今は必要ないけど、将来は必要になる部屋やその逆のパターンが想定される場合は、間仕切りによる対応で解決できるケースがあります。
平屋ならではの開放的な視界や快適な動線、掃除のしやすさなどを考慮して、個室を必要最低限に抑えた間取りプランも検討してみましょう。
⑤設備の性能を見直す
平屋に限らず、設備選びも坪単価や暮らしの快適性に影響する重要なポイントです。
特に、省エネ性能が高くメンテナンスしやすい設備を選ぶことで、初期費用だけでなく、長期的な光熱費や修理費も抑えられます。
ただし、必要以上に高機能な設備を避ける必要はなく、間取りの広さや予算に合わせたシンプルで使いやすい設備を選ぶようにしましょう。
>関連コラム:全館空調の家で大切な5つのポイント|ランニングコストを抑えて快適な暮らし
>関連コラム:2階建てと平屋のメリット・デメリットを比較|後悔のない間取りを選ぶポイントは?
納得価格で理想の平屋を建てるための成功ポイント
最後に、平屋を建てる上で押さえておきたい設計やデザインのポイントを紹介します。
日当たりと風通しの工夫
2階建てよりも建物自体の高さが低い平屋では、日当たりや風通しに工夫した間取りや窓の配置の検討が重要です。
例えば、リビングを南向きにレイアウトすることで、自然光が室内の奥まで届きやすく、住まい全体が明るい印象に仕上がります。
採光・通風に優れた住まいでは、省エネ性の高い空間や快適で健康的な暮らしが実現します。
プライバシー性・防犯性の確保
平屋の場合、プライバシー性や防犯性を高めるための対策も大切です。
生活の目線と通りや道路からの視線が同じ高さになってしまう立地の場合は、目隠しになる植栽や塀の設置を検討してみましょう。
また住環境によっては、夜間のセンサーライトや防犯カメラの活用もおすすめです。
間取りの柔軟性や収納デザインにこだわる
平屋の限られた延べ床面積を有効活用するためには、将来も柔軟に間取り変更できるプランを検討しておくことが大切です。
また、デッドスペースを上手く活用した収納設計や、多目的に利用できるロフトの設置などもおすすめです。
洗面脱衣所を洗濯室としても利用できるランドリールームなど、時間帯によって使い勝手を変えられる兼用間取りを検討してみるのもいいでしょう。
土地の建築条件や環境をチェック
平屋を建てる際には、土地の建築条件や周辺環境を事前に確認しておくことが大切です。
例えば、建ぺい率や容積率の制限により、建てられる建物の大きさや高さに制約が出る場合があります。
また、周囲の建物による影響で十分な日当たりや風通しが確保できないケースもあるため、平屋を建てるのに適した土地・環境選びが欠かせません。
将来のメンテナンスも考慮する
平屋は、2階建てよりも外壁や屋根のメンテナンスがしやすい点がメリットです。
しかし、採用する材料や仕上げ方法によってはメンテナンス方法や費用が大きく変わる場合があるため、将来の出費も視野に入れた耐久性の高い素材選びや、修復・修繕方法も確認しておきましょう。
>関連コラム:吹き抜けや勾配天井が開放的な平屋デザイン|採光とプライバシー保護の両立を実現
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まとめ│平屋の坪単価が割高になる理由の理解と理想の家づくり
一般的に平屋の坪単価が2階建てよりも割高になる理由として、構造やコストがかかる部分の違いが挙げられます。
希望予算で理想の平屋を建てるためには、住み心地やデザインにこだわりつつ、建物の形状や間取り、設備などを工夫することが大切です。
立地条件や周辺環境も平屋のスタイルや暮らしに影響するため、土地探しの段階から信頼できる施工会社に相談するのがおすすめです。
ぜひ、暮らしの利便性や将来のメンテナンス性、トータルコストなど、全てのバランスを考えた、満足な家づくりプランを一緒に検討していきましょう。
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