注文住宅の階段デザインの選び方|後悔しない設置場所と種類の決定ポイント
注文住宅で自由な暮らしを実現するためには、ご家族のライフスタイルや希望に合わせた間取りづくりが大切です。
今回は、2階建て以上の家で検討が必要な「階段」設計の基礎知識から、インテリア性のあるデザインや、使い勝手のいいレイアウトを決めるコツを解説します。
おしゃれな空間実例や、安全性・機能性を高めるためのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
このコラムのポイント |
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目次
注文住宅の階段設置場所と種類の決め方
注文住宅の間取りづくりにおいて、階段の設置場所は、住まいの生活・家事動線を決める上で重要なポイントです。
また、ご家族の使い勝手やご希望のデザインに合わせた階段の種類を選ぶことで、便利でおしゃれなインテリアが実現します。
おしゃれで便利な階段レイアウト
まずは、間取り全体の構造を固める上で欠かせない、階段のレイアウトについて考えてみましょう。
ここでは、注文住宅で人気の「玄関ホール階段」と「リビング階段」の特徴に加え、「壁寄せレイアウト」や「中央レイアウト」のポイントも紹介します。
玄関ホール階段
玄関ホール階段は、玄関から直接2階にアクセスできる階段。
ご家族やお客様のいるリビングを経由せず、2階の個々の部屋に向かえるため、プライバシーや帰宅後の利便性を高めたい方におすすめです。
LDKと玄関が離れた間取りの場合、家族間のコミュニケーションが減ってしまう可能性があるため、玄関ホールが閉鎖的になり過ぎないよう工夫しましょう。
リビング階段
リビング階段は、リビングルームに設置する階段で、空間のインテリア性やご家族とのつながりを高めたい方に人気のスタイルです。
リビングを通らないと2階に上がれないため、自然にご家族と顔を合わす機会が増えるのがメリット。
来客がある場合のデメリットや、吹き抜けにする場合の空調管理を考えるなら、階段の向きや種類を慎重に選ぶ必要があります。
・壁寄せレイアウト
階段の壁寄せレイアウトは、階段のある空間を広く活用できる配置。
階段下に収納スペースや本棚をつくったり、階段の壁側に安定した手すりを設置したりするのに有効です。
・中央レイアウト
階段の中央レイアウトは、階段を空間の中央部に配置するスタイル。
間取りに余裕がある場合や視覚的なインパクトを楽しみたい場合におすすめです。
スケルトン階段なら、広いワンルームのゾーニングにも活用でき、透過性のあるデザインも楽しめます。
階段の種類と特徴
次に、主な階段の種類とそれぞれの特徴について解説します。
階段の種類によって、間取りや印象が大きく変わるため、実例を参考にしながら、ご家族のライフスタイルやご希望に合ったスタイルを選んでいきましょう。
シンプルな「直階段」
直階段は、ストレートに延びるシンプルなデザインが特徴です。
占有する面積が少ないので、狭いスペースにも設置しやすく、どんなインテリアにも合わせやすいスタイルに仕上がります。
低コストで設置でき、安全で視界の広い上り下りが実現します。
L字型の「かね折れ階段」
かね折れ階段は、直角に折れ曲がる形状の階段です。
上り下りの途中に踊り場ができるので、1階までの転落防止や緩やかな勾配をお考えの方におすすめ。
直階段より費用はかかりますが、壁沿いにL字をつくるため面積の消費が少ないのも特徴です。
U字型の「折り返し階段」
折り返し階段は、U字型に折り返す形状の階段です。
かね折れ階段と同様に、途中に踊り場を設けることで安全性が高まり、視覚的なデザインや柔軟な間取りづくりに有効なスタイルです。
折り返し部分に実例のような広い踊り場を設けることで、ロフトや中2階のような多目的スペースをつくるのもいいでしょう。
個性的な「らせん階段」
らせん階段は、中心の支柱を軸に螺旋状に回転するデザインが特徴的な階段です。
スペースを最小限に抑えながら、視覚的なインパクトを楽しませてくれます。
デザイン性が高い一方、踏み面が三角形である点や昇降が急になりやすい点において、特に小さなお子様や高齢者がいるご家庭では、注意が必要です。
>関連コラム:吹き抜けリビング階段の魅力と間取りの成功事例|30~40坪の開放的な暮らしの設計ポイント
【実例紹介】魅せる階段デザインと間取り
続いて、階段の種類やデザイン、間取りの雰囲気などが分かる実例も参考にしてみてください。
安全性重視の箱型階段
>施工事例:京都市左京区|モデルハウス|光が降り注ぐ吹抜けリビングとアウトドアリビングのある省エネ快適分譲住宅
まずは、安全性を重視した箱型階段のある間取り実例です。
箱型階段は、視覚的にも落ち着いた印象で、無垢フローリングと合う優しい木製階段の味わいが楽しめます。
階段の壁を最小限に抑えて、階段に座りながらキッチンにいるご家族とコミュニケーションが取れる、おしゃれなスタイルに仕上げました。
デザイン性の高いスケルトン階段
狭いエリアや暗いスペースに階段を設けるなら、透過性のあるスケルトン階段がおすすめです。
ステップの間から光や風を通す機能性と、モダンで軽やかなデザイン性が近年注目を集めています。
アクセスのいい配置
ご家族との適度な距離感を保つなら、玄関ホール階段とリビング階段のメリットを活かした間取りがおすすめです。
玄関から階段までの移動やLDKからの見え方にこだわったスタイルで、利便性とプライバシー性の両立をはかりました。
オープン過ぎないリビング階段で、個々の自由な時間や行動を守るのも大切です。
家族とつながるスタイル
キッチンダイニングと独立型リビングとの間にスケルトン階段を設けた、おしゃれな階段スタイルの実例。
お子様の人数が多いご家庭や二世帯住宅におすすめの間取りで、目的に合った空間の確保とお互いの様子が分かるつながりのいい視界が魅力です。
ゾーニングを兼ねた階段レイアウトで、緩やかに空間を隔てつつ、ご家族の行き来が見える便利な階段デザインに仕上げました。
>関連コラム:2階建て注文住宅で人気の30~50坪間取り|空間デザインのコツを実例で解説
安全で使い勝手のいい階段設計のポイント
最後に、ご家族が安全で快適に使える階段設計のポイントをまとめて押さえておきましょう。
適切な寸法と段数とは
建築基準法では、住宅の基準として、階段1段の高さ(蹴上げ)は23㎝以下・奥行き(踏面)は15㎝以上と定められています。
実際には、高さ15〜20cm程度で、奥行き25〜30cm程度の階段が理想的な設計と言われています。
また、段板の幅は75㎝以上必要で、段板の数は14~15段が一般的です。
段数については、住宅の天井高や階高に応じて決めますが、数が多過ぎたり勾配が急過ぎたりすると、安全性が欠けるので注意が必要です。
安全性を高める手すりの設置
手すりは、安全に階段を上り下りするために必要なパーツです。
手すりの高さは、80〜90cm程度が一般的で、階段の両側に設置することでより安全性を高められます。
滑りにくい素材や握りやすい形を選ぶのも大切なポイントです。
階段の素材の選び方
階段の素材を決める際には、住まいのインテリア性だけでなく、使いやすさや肌触りを考えることが大切です。
また、階段のデザイン性や安全性を維持するためには素材の性能や特徴にも注目してみましょう。
自然素材の家を建てる場合、耐久性が高く丈夫な、壁や床とよく調和する温かみのある無垢材の階段がおすすめです。
階段まわりの空間活用
階段まわりの空間を有効活用することで、階段だけでなく、暮らしの機能性を高めることにもつながります。
例えば、階段下に収納や本棚をつくったり、仕事や家事に使えるカウンターを設けたり、デッドスペースになりがちな階段まわりを便利な空間に変えてみましょう。
階段エリアに窓を配置して、自然光を取り入れやすい開放的な空間に仕上げるのも素敵です。
>関連コラム:広いリビングの高性能な間取り実例|20畳以上のおしゃれなレイアウト
>関連コラム:1.5階建て間取りのおしゃれな使い勝手|自由な活用方法とデザイン実例
まとめ│デザイン性と機能性を両立する注文住宅の階段選び
注文住宅の階段選びでは、デザイン性と機能性の両立が大切です。
階段の設置場所や種類の特徴をよく理解して、ご家族のライフスタイルや理想のインテリアに合わせたスタイルをじっくり考えてみましょう。
ご家族が利用する際の安全性や間取りへの影響など、専門的な知識が必要な部分も多いため、ぜひ信頼できるプロのアドバイスも参考にしながら検討を進めてみてください。
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