コンパクトな家の魅力と間取りアイデア|15~30坪で快適に暮らすための工夫や注意点も解説

コンパクトな家のメリット・デメリット|家族構成に合わせたスマートな家づくり

広い豪邸のような住まいだけでなく、延べ床面積30坪以下の小さな家で、コンパクトな間取りや無駄のない動線を実現する注文住宅プランも人気です。

コンパクトな家では、家族間の快適なコミュニケーションや家事の効率化がはかりやすく、土地探しや資金計画における選択肢も広がります。

今回は、コンパクトな家の魅力と注意ポイント、おすすめの間取りアイデアを実例と合わせて紹介します。

ぜひ自由度の高い注文住宅で、ご家族にちょうどいい暮らしを手に入れましょう。

 

このコラムのポイント
  • コンパクトな家は、コミュニケーションが取りやすい間取りや効率的な家事動線をつくるのに便利です。
  • 小さな家では、初期費用やランニングコストが抑えられ、土地探しにおける選択肢も増えやすくなります。
  • コンパクトな家を建てる際に押さえておきたい注意点や工夫ポイントを三都の森こだわりの実例と合わせて紹介します。

 

コンパクトな家の特徴と人気の理由

コンパクトな家の特徴と人気ポイント

>施工事例:京都市左京区|新築|K様邸

コンパクトな家は、限られた面積でも快適な暮らしが実現できる、延べ床面積15~30坪前後の住まいを指します。

建築上、明確な坪数などの定義はありませんが、暮らしに必要な空間や機能をシンプルに備えた無駄のないプランとして、幅広い世帯から注目されています。

 

コンパクトな家が注目される理由

近年、土地代や建築価格の上昇に伴い「狭くても立地の利便性にこだわりたい」「余計な空間や設備を減らしてリーズナブルな価格で工夫したい」という方が増えています。

特に都市部や駅近エリアでは、土地面積が限られている場合が多く、効率的にスペースを有効活用できる、低価格で過不足のない家づくりは理想的です。

コンパクトな家では、光熱費や将来のメンテナンス費用の節約が可能なのも大きなメリットです。

また、家族間の快適なコミュニケーションや家事、育児における協力を求めやすい点も人気の理由に挙げられます。

コンパクトな家に向いている家族・暮らし

コンパクトな家は、ご家族がリビングで過ごすことが多い一人暮らしから、まだ小さなお子様のいる3~4人家族向きの住まいです。

【コンパクトな家の広さ・間取りの目安】

  • 一人暮らし:15~20坪 (1~2LDK)
  • 二人暮らし:20~25坪 (2~3LDK)
  • 3~4人家族:30坪前後 (3~4LDK)

 

住生活基本計画における「居住面積水準」では、最低居住面積水準と誘導居住面積水準を以下のように定めています。

住生活基本計画における居住面積水準(厚生労働省資料)

画像引用元:厚生労働省|住生活基本計画における居住面積水準

 

誘導居住面積水準の「都市居住型」では、「多様なライフスタイルを想定した場合に必要と考えられる」住宅面積を下記のように規定しています。

  • 一人暮らし40㎡(約12坪)
  • 二人暮らし55㎡(約17坪)
  • 3~4人暮らし75~95㎡(約23~29坪)

 

夫婦共働き家庭や子育て中の世帯では、ご家族が集まって一緒に過ごす時間や、無理なく家事をシェアできる動線づくりが大切です。

コンパクトな住まいで間取りを工夫すれば、広々とした空間も近くて便利な家事動線も手に入ります。

また、片付けが苦手で収納を増やしたくない方や、生活感のないスタイリッシュな内装をご希望の方、バリアフリーで掃除が楽な住まいをご検討中の方にもおすすめです。

 

>関連コラム:2階建て注文住宅で人気の30~50坪間取り|空間デザインのコツを実例で解説

 

15~30坪のコンパクトな家を建てるメリット

1階に生活に必要な機能を集約した便利なコンパクトプラン

>施工事例:京都市伏見区|新築|K様邸

それでは、詳しくコンパクトな家を建てるメリットを見てみましょう。

 

家族構成に合わせた理想の間取りが実現

15~30坪前後の家は、前記の通り、最低居住面積水準よりも余裕のある誘導居住面積水準の住まいであるため、家族構成やライフスタイルに合わせた間取りを検討しやすいのが特徴です。

例えば、リビングとダイニングを一体化させた開放的なパブリックエリアや、お子様の人数分の個室を配置したプライベートエリアもしっかり確保できます。

さらに、無駄なスペースが生まれない分、ご家族が離れ過ぎて「コミュニケーションが取りづらい」、物が増えすぎて「掃除や片付けに困る」といった問題も起こりにくくなります。

初期費用が抑えられる

小さな家の場合、建物の基礎や構造材、外壁、屋根などにかかるコストも最小限に抑えられるので、初期費用を大幅に削減できるのも魅力です。

家づくりのベースとなる建築資材の費用が抑えられれば、間取りや内装デザイン、造作家具・収納などのインテリアにこだわってみるのもいいでしょう。

土地の選択肢が増える

コンパクトな家づくりでは、土地探しの選択肢が増える点も大きなメリットです。

15~30坪前後の住まいでは、土地面積が小さくても生活に必要な機能が備えられるため、周辺環境の快適性や駅近の利便性にこだわる、好条件な土地も探しやすくなります。

また一般的に土地代が高い都市部や駅近エリアをご希望の場合でも、コンパクトな土地面積なら、予算内で理想の家づくりが進めやすいのもポイントです。

最短動線が便利

コンパクトな家の間取りでは、生活・家事動線を短くして、家事楽や時短を促すことも可能。

例えば、キッチンやランドリールームなどの水回りを集約化して、移動の手間や荷物の持ち運びにかかる負担を大幅に削減できるのも便利です。

また、階段を使わず全ての部屋にアクセスできる平屋もおすすめです。

限られた広さで、最短動線を意識した間取り設計は、暮らしの質を高めるポイントとなります。

ランニングコストが節約できる

コンパクトな家では、建築にかかる初期費用だけでなく、住み始めてからのランニングコストが抑えられるのも大きなメリットです。

広い家に比べて冷暖房費用がかかりにくいのはもちろん、掃除や片付けにかかる時間や労力も節約できます。

メンテナンスがしやすい

小さな家は、通常10~15年毎に行うメンテナンスの費用が抑えられるのもポイントです。

広い家に比べて範囲が限られるため、屋根や外壁、設備の点検や修理がしやすく、人件費や材料費の節約にもなります。

また平屋の場合は、工事の内容によって足場代がかからないケースも多くあります。

 

>関連コラム:平屋に必要な土地の広さと坪数の選び方|4~5人家族に最適な間取りは何坪?

 

15~30坪のコンパクトな家を建てるデメリット

15~30坪の小さな家を建てる前に押さえておきたい注意ポイント

>施工事例:京都市左京区|新築|K様邸

次に、コンパクトな家を建てる前に、注意しておきたいデメリットもチェックしておきましょう。

レイアウトが限られる

コンパクトな家では、延べ床面積が限られるため、間取りの自由度は低くなる場合があります。

特に人数が多いご家庭では、部屋数を増やすことで個々の空間が狭くなったり、圧迫感のあるスペースが生まれたりしてしまいます。

解決策としては、リビングとダイニングの一体化で便利に行き来できるつながりをつくったり、吹き抜け設計で縦の開放感を演出したりするのがおすすめです。

また、間取り全体を明るく照らす適切な窓の配置や、動線を遮らない家具の設置などにもこだわってみましょう。

収納が足りない

小さな家では、収納が足りなくなる可能性があります。

特に、将来ご家族が増えた場合の衣類や日用品、季節もののアイテムなどを片づけるのに必要な収納スペースが十分になければ、部屋が散らかりやすくなるという問題も起こり得ます。

自由設計の注文住宅を建てるなら、間取りやご家族の使い勝手に合わせた造作家具や壁面収納をうまく活用してみましょう。

将来、部屋が足りなくなる

新築時の家族構成では、ちょうどいいサイズの間取りであっても、将来ご家族が増えたり、お子様が成長したりするのに伴い、部屋数や広さが不十分になるケースも考えられます。

コンパクトな家を建てる場合は、ご家族のライフステージの変化にも増築やリノベーションで対応できる柔軟な間取りを検討しておくことが大切です。

 

>関連コラム:2階建てと平屋のメリット・デメリットを比較|後悔のない間取りを選ぶポイントは?

 

【実例】小さな家の快適な間取りづくりのポイント

実際に、三都の森が手掛けた新築実例を参考に、コンパクトな家を建てる際に押さえておきたい、間取りポイントやおすすめの動線設計を紹介します。

 

水回りの動線に工夫する

水回り動線にこだわった家事効率のいい間取り実例

>施工事例:京都市左京区|新築|M様邸

キッチンから一直線に洗面脱衣所に向かえる、家事や子育てに便利な間取りの実例です。

コンパクトな住まいでは、水回り動線をいかに効率的に設計するかがポイントになります。

また、移動距離を縮めるだけでなく、動きやすい直線設計にこだわることで、振り返りや往復の手間を減らすことが可能です。

実例の間取りでは、お子様の手洗いやお風呂上りの着替えなどの様子を、ちょうどいい距離感で見守れるのも魅力です。

効率的な収納配置を考える

子ども部屋にロフトを設けて収納に活用できるスタイルに仕上げた実例

>施工事例:京都市左京区|新築|K様邸

将来は、2つの部屋に分けられる子ども部屋にロフトを設置した実例です。

コンパクトな家の限られた間取りを工夫して、お子様やご家族が多目的に利用できるスペースを確保しておけば、荷物が増えた時の収納としても利用できます。

また、ちょっとしたデッドスペースに、ハンガーにかけたまま収納できる洋服クローゼットをつくるのもおすすめです。

「通路」のスタイルを見直して広い空間を確保する

メリハリのある間取り設計で開放的なリビングを実現させた実例

>施工事例:京都市左京区|新築|M様邸

水回りなど日常生活に必要な動線を集約化させたり、「通路」のためだけの廊下をなくしたりすることで、その分の床面積を有効に活用させられます。

実例の住まいでは、玄関を入るとすぐにキッチンやリビング・ダイニングが広がる間取りで、開放的な視界を確保しています。

通路兼居住スペースの検討は、壁の量や建材にかかるコストを減らすことができ、どこに居てもご家族とつながれる広い空間づくりにも有利です。

窓からの景色や自然光で開放感を演出する

吹き抜けや大きな窓が演出する明るく開放的な間取りの実例

>施工事例:京都市左京区|新築|H様邸

窓からの景色や自然光をうまく活用することで、居住空間に視覚的な広がりを持たすことが可能です。

例えば、コンパクトな間取り+ウッドデッキで内と外がフラットにつながるリゾートライクな住み心地も楽しめます。

南向きのリビングに大きな窓を設置したり、プライバシー性を確保できる吹き抜け窓を活用したりして、ご家族が快適にのびのびと暮らせるプランを検討してみましょう。

 

>関連コラム:2階リビングのメリットと後悔しやすいポイント|老後にもいい間取りやおすすめ設計を紹介は

 

まとめ│家族の暮らしにちょうどいいコンパクトな家を実現

家族の暮らしにちょうどいいコンパクトな家の間取り

>施工事例:京都市左京区|新築|D様邸

コンパクトな家では、限られたスペースを有効活用して、ご家族が程よい距離感で快適な暮らしを送るのにちょうどいいプランが実現します。

優先順位の高い要望を押さえたシンプルな家づくりは、ご家族の経済面や暮らしの機能性、環境にも優しい住まいです。

動線設計や空間デザインにこだわって、新築から将来のメンテナンスにおけるコストの節約にも貢献する理想のマイホームを、ぜひ建築のプロと一緒に検討していきましょう。

 

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