【高気密・高断熱の家で後悔する5つの瞬間】"気持ち悪い・必要ない"言われる理由と対策を解説
注文住宅を建築するとき「夏涼しい家がいい」「冬暖かいにしたい」と、温熱環境に関係する希望を述べる人は多いものです。
そこで「高気密・高断熱住宅」へたどり着くものの、今度は「高断熱・高気密の家で後悔した体験談」を見て、不安を感じてしまいます。
本記事では「高気密・高断熱の家を建築して後悔しやすい5つの瞬間」を紹介します。
あわせて後悔を避けるための方法や、そもそも高気密・高断熱の家はどんな特徴を持つのか、といった話題についても解説します。
高気密・高断熱を導入するかどうか、本記事を読んでから決めましょう。
高気密・高断熱の家を建築するときのポイント |
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目次
高気密・高断熱の家に住んでみて「後悔を感じる5つの瞬間」
高気密・高断熱の家に住んだとき、後悔を感じやすいのは以下の5つの瞬間です。
なお、いずれの後悔も、高気密・高断熱の家を建て慣れた設計者なら対策は可能です。
全ての高気密・高断熱の家で後悔を感じる訳ではない点に留意しましょう。
- 窓が小さく、暗い家になる
- 想像していたよりも暑い・寒い
- 結露・カビが発生しやすい部屋がある
- 部屋の空気が淀んで気持ちが悪くなる
- 建築費が高額で建築後の預貯金額に後悔
窓が小さく、暗い家になる
窓と壁、比較すると厚さの関係から、窓の方が断熱性能は低くなります。
このため手っ取り早く断熱性能の高い家を建てるなら、窓を少なく小さくすることが求められます。
窓を小さく、少なくした結果「部屋が暗くなってしまった」というケースは多く見られます。
想像していたよりも暑い・寒い
「想像していたより暑い・寒い」という声も聞かれます。
高気密・高断熱の家と聞くと、非常に高い断熱性能から、空調機器を使用せずとも暖かく(涼しく)、快適性が長く保たれると思いがちです。
温熱環境に対する期待を裏切られた場合、後悔を感じるでしょう。
結露・カビが発生しやすい部屋がある
住宅によっては「結露やカビの発生」が問題になることも。
従来の低気密の住宅では、綿密な空調計画を立てなくても隙間風があることで湿気が逃げていましたが、高気密の住宅では逃げ道がありません。
適切な空調計画を立てなければ、湿気は溜まりカビ・ダニの温床になります。
部屋の空気が淀んで気持ちが悪くなる
室内に溜まるのは湿気だけではありません。建材から放出される有害物質が溜まることで「部屋の空気が汚染されて気持ちが悪くなる」ことも。
敏感な人は、有害物質が溜まった部屋に入った瞬間に分かるほどです。
建築費が高額で建築後の預貯金額に後悔
高気密・高断熱の住まいを建築する場合、特殊な断熱材や窓、気密性を向上させる部材を利用することになります。
結果として「建築費用が高額になり、預貯金の減額」が気になることも。
高気密・高断熱の家の後悔「避けるための対策」
高気密・高断熱の家を実現した結果、感じられる後悔を避けるためにはどうすればよいのでしょうか。
以下の具体的な6つの方法を紹介するので、参考にしてください。
- 窓を高性能化・必要であれば窓は大きくする
- モデルハウス・見学会で断熱性を実感
- 空調機器が必要である点を理解する
- 入念な換気計画を立てる
- 標準以上の窓・断熱材を利用する
- 高気密・高断熱の施工に慣れた業者に依頼する
窓を高性能化・必要であれば窓は大きくする
窓の少なさ・暗さは「窓の高性能化、および窓の大型化」で実現できます。
従来のアルミサッシ・シングルガラスよりも高性能な、樹脂サッシやペアガラス、トリプルガラスといった断熱性能の高い製品が登場しているので、窓の大きさを確保したいなら高性能な窓の導入は欠かせません。
モデルハウス・見学会で断熱性を実感
断熱性への期待については「モデルハウスや見学会で断熱性能を確認する」ことが有効です。
高気密・高断熱を謳う工務店・ハウスメーカーの中でも、断熱性・気密性は異なります。
さらに間取りを中心とする設計思想によっても断熱性は変わるので、実際に体感できる場所に赴くことをおすすめします。
空調機器が必要である点を理解する
高気密・高断熱の家は、温熱環境について期待されることが多いですが「空調機器が必要である」点には留意が必要です。
どんなに高性能な住宅でも、暖房器具・冷房器具がなければ室温は徐々に外気温に近づいていきます。
部屋の体積に対して適切な大きさの空調機器を、適切な使用方法で利用する必要がある点に留意しましょう。
>関連コラム:京都の気候は住みにくい?吹き抜けと空調で快適な住宅に!
入念な換気計画を立てる
気密性を高めた住宅では「入念な換気計画を立てる」ことが重要です。
吸気~排気の経路に含まれない部屋があると、高気密住宅では湿気は溜まる一方です。
吸気口・排気口の位置や風量、換気計画に含めない場合に湿気対策をどうするのか、考える必要があります。
標準以上の窓・断熱材を利用する
予算の都合から、窓や断熱材の品質をダウングレードするケースもありますが「高気密・高断熱の家を建てるなら、標準以上の仕様の窓・断熱材を使用」しましょう。
見学会やモデルハウスで体感した温熱環境は、その工務店・ハウスメーカーにおける標準以上の仕様であることが多く、ダウングレードすると希望する温熱環境が得られない可能性があります。
高気密・高断熱の施工に慣れた業者に依頼する
最後に最も重要なことは「高気密・高断熱に慣れた業者に依頼する」ことです。
実は高気密・高断熱の住まいは、すぐに作れる訳ではありません。高気密・高断熱の住まいを高い精度で施工するための技術・ノウハウの蓄積が必要です。
高気密・高断熱を宣伝するとともに、一定期間高い性能の家を作り続けた実績のある業者に依頼しましょう。
>関連コラム:京都市での工務店の選び方 自然素材と高断熱で快適な家を建てたい方へ
高気密・高断熱住宅とは?
そもそも、高気密・高断熱住宅とは、どんな住まいなのでしょうか。
主なポイントは以下の2点です。
- 住宅の隙間をなくして、不要な空気の出入りをなくす(高気密)
- 窓や壁の断熱性能を向上させて、外からの熱の侵入を防ぐ(高断熱)
こうした特徴を持つ、高気密・高断熱住宅を建築すると、次のようなメリット・デメリットを持つ住まいになります。
高気密・高断熱住宅のメリット
- 夏・冬も快適な温度で過ごせる
- 空調機器の効きがよく光熱費を削減できる
- 部屋間の温度差が少なく、ヒートショックによる体調不良を防げる
- 夏場に熱中症になる可能性を減らせる
- 窓を閉めることで外部からのホコリ・砂の侵入を防げる
- 音を遮断するので騒音を感じづらい・騒音源になりづらい
高気密・高断熱住宅のデメリット
- 施工費用が高額になりやすい
- 断熱性を確保するため、窓が小さく少なくなりがち
- 換気計画が不十分だと、結露・カビが発生する可能性も
- 施工する工務店の技術力によって、気密性・断熱性に差が出る
- 換気システムのメンテナンスが重要になる
高気密・高断熱住宅の「疑問」
記事の終わりに、高気密・高断熱の家に関連して聞かれることの多い疑問を紹介し、回答します。
(1)高気密住宅は体によくないって聞いたんだけど…
答:適切な換気計画を立てれば、体への悪影響はありません。
高い気密性を持つ住宅が「体によくない」と言われるのは「建材からの有害物質や、溜まった湿気により生じたカビ・ダニによる健康被害」があるからです。
適切な換気計画を立てることで、有害物質や湿気を排出すれば、健康被害は抑えられるでしょう。
(2)高気密高断熱住宅なのに寒い!どうして?
答:十分な断熱性能が確保されていない・冷暖房器具のパワー不足
高気密高断熱を謳う工務店で、実際に断熱性能の高い窓・断熱材を使用しても寒いケースは散見されます。寒さを感じる原因は「施工精度」にあります。
高性能な建材を使用しても、隙間が生じる施工を行えば、隙間風が生じて外の空気が入ってしまいます。
また、吹き抜けを設けたり勾配天井を採用して、部屋の体積が大きいにも関わらず、極端に小さな冷暖房器具を利用しているケースもあります。
高気密・高断熱住宅でも、熱源がなければ室温は外気温に近づいていきます。
適切な施工・適切な空調計画を立てられる会社に依頼することで、快適な高気密・高断熱の住まいを手に入れましょう。
(3)高気密高断熱住宅は"必要ない"って聞いたんだけど、理由は?
答:「窓を開ける生活をするから必要ない」という説があります
いくら高気密・高断熱の家を建築しても、家中の窓を開放していれば外気が室内に進入します。
このため、基本的に窓を開ける生活をするなら、高気密・高断熱の住まいは必要ではない可能性があります。
しかし、夏真っ只中や厳冬期、風の強い時期や花粉の時期、大雨が降るときなど、窓を閉める必要に迫られるシーンは多いもの。
窓を開ける暮らしを主としつつも、必要に応じて窓を締め切ったときも快適に暮らせる住まいを実現することをおすすめします。
まとめ│高気密・高断熱の後悔は設計の工夫で避ける
>施工事例:光が降り注ぐ吹抜リビングとアウトドアリビングのある省エネ快適分譲住宅|京都市左京区
高気密・高断熱の家を実現したあと「後悔」する場合について紹介するとともに、考えられる対策を紹介しました。
施工技術が不足していたり、換気計画が十分に検討されていない場合は、後悔を抱えることになることも。
一方で気密性・断熱性能を高めた家は温熱環境が安定し、非常に心地よい住まいになります。
高気密・高断熱の家の特徴を把握したうえで、目的に合致した業者に依頼することで快適な注文住宅を建築しましょう。
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