2階リビングのメリットと後悔しやすいポイント|老後にもいい間取りやおすすめ設計を紹介
ビルトインガレージや3階建てなど、間取りの自由度が高まる近年では、一般的な1階リビングだけでなく、日当たりや景色の良さを活かした2階リビングも人気です。
2階リビングは、リゾートライクで優雅な暮らしが実現しやすく、耐震性向上につながる特性も注目されています。
そこで今回は、2階リビングのメリット・デメリットを紹介しながら、老後も後悔のない間取りづくりのコツや、プランニングの際に役立つ注意点や対策方法を解説します。
ぜひ、将来性のある家づくりの参考にしてみてください。
このコラムのポイント |
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目次
2階リビングのメリットと実例
まずは、2階リビングのメリットを実例と合わせて紹介します。
【2階リビングの魅力】
- 日当たりや風通しのいいリビングができる
- 高い位置からの開放的な景色が楽しめる
- 通りから距離があるためプライバシーが守られやすい
- 屋根の高さや勾配を活かした内装がおしゃれ
- 1階に壁(個室)が多い間取りで耐震性が高まる
日当たりの良さ
近隣住宅の高さや立地環境によって採光が不十分な間取りの場合、2階リビングにすることで自然光や風を取り込みやすい住まいが実現する可能性があります。
2階は1階よりも高さがある分、周辺の建物の影響を受けにくく、陽の光が入りにくい冬場でも明るく暖かい空間を楽しめるのが魅力です。
勾配天井の高さを活かして、明るいロフトを設けるのもおすすめです。
開放的な景色
2階にリビングを配置することで、1階からではまず味わえない、遠方まで広がる景色が楽しめるのも大きな魅力です。
高さのある優雅な眺望や、京都の大自然と調和するリゾートライクな開放感が得られるリビングでは、一般的な間取りでは叶わない贅沢な日常が手に入ります。
プライバシーの確保
住宅密集地や道路から近い位置に注文住宅を建てる場合、お隣さんとの距離感や通りからのプライバシー性が気になる場合がありますよね。
例えば、リビングに大きな窓を設けて、外の景色を見ながら優雅にくつろぐイメージをしていたのに、実際は「近隣住民の生活や外からの視線が気になる」というケースも考えられます。
2階リビングでは、近隣住宅と窓の位置をずらしたり、道路から見えにくい高さに開放的な窓を設けたり、ご家族の理想に合わせて、より自由度の高い間取りが楽しめるでしょう。
高天井や勾配天井も可能
2階リビングでは、近年人気の平屋のような高天井や勾配天井のデザインを活かした、おしゃれな空間づくりも楽しめます。
ダイナミックな「むき出し梁」やナチュラルで美しい「板張り天井」など、1階リビングには出せない、屋根の形状を反映させたスタイルも注目されています。
また、2階リビングとつながるプライベートバルコニーの設置で、ご家族だけの優雅な使い勝手や景色を満喫するのもおすすめです。
耐震性の向上
1階に柱や壁のない大空間を設ける場合、筋交いを入れる場所が難しく、大規模な補強が必要になるケースが多くあります。
一方、2階リビングを採用する場合、1階に寝室や子ども部屋などの個室を配置するのが一般的です。
1階に個室が多い方が、耐震壁(筋交い)がバランス良く配置されやすく、建物の安定性が高まり、地震による揺れを抑えやすいのが魅力です。
そのため、耐震性の高い家づくりをお考えの方にとっても、2階リビングの検討は有効だと言えるのではないでしょうか。
>関連コラム:2階建てと平屋のメリット・デメリットを比較|後悔のない間取りを選ぶポイントは?
>関連コラム:【2025年施行】建築基準法改正の完全ガイド|家づくりにどんなメリット・デメリットがあるのか?
2階リビングで後悔しやすいポイントと対策
2階リビングには多くのメリットがある一方、デメリットがあるのも事実です。
将来、後悔することがないよう2階リビングのメリットと合わせて、注意ポイントや対策方法もしっかりチェックしておきましょう。
【2階リビングで後悔しやすいポイント】
- 日常的な階段の上り下りが負担になる
- 夏場は2階に暑さや熱がこもりやすい
- 玄関とリビングが離れる場合、家族間でコミュニケーションが取りにくくなる場合がある
- 2階パブリックエリアの生活音が、1階の個室に響く可能性がある
階段の上り下りの負担
2階リビングの間取りでは、1階玄関から階段を上って生活エリアに向かうため、日常的な負担が心配される場合があります。
2階建ての場合、階段の上り下り負担は避けられませんが、2階リビングでは、玄関からリビングまでの移動が、1階リビングよりも大変だと感じられる方もおられるかもしれません。
そのため、玄関から直接リビングに向かえる階段の位置や、安全に上り下りできる階段の種類にこだわるのがおすすめです。
また、ホームエレベーターの導入を検討してみるのもいいでしょう。
夏場の暑さ対策
2階フロアは、1階よりも日当たりが良く、冬場は暖かい反面、夏場の熱気や直射日光による室内のエアコンの効きの悪さが、デメリットとして挙げられます。
室温の上昇を抑えるために屋根の断熱性を高めたり、日差しをコントロールするための遮熱ガラスや遮光カーテンを導入したりするのがおすすめです。
快適な室内環境を守るために、窓の大きさや位置の検討にも注意が必要です。
直射日光を遮る軒の長さにも工夫して、風通しのいい2階リビングをデザインしてみましょう。
家族との距離感やつながり
2階リビングのある住まいでは、リビングを中心としたパブリックエリアと、個室のあるプライベートエリアを上下階で分けられる一方、ご家族と顔を合わせる時間が減る可能性も挙げられます。
玄関からリビングが離れている場合、ご家族の外出や帰宅に気づけない、また玄関から個室が近い場合、毎日のコミュニケーションに影響が出るケースも心配されます。
対策としては、吹き抜け玄関と2階リビングがつながる階段を設けたり、ご家族の行動パターンから自然に集まりやすい動線を設計したりするのが、おすすめです。
2階水回りと1階個室のレイアウトに注意
2階にリビングをはじめ、キッチンや洗面浴室、トイレなどの水回りを設ける場合、1階個室への生活音や話し声の伝播に注意が必要です。
特に、夜間の場合、水回りの使用は1階の個室への影響が大きく、配管の長さや配置選びが重要になってきます。
水音を1階に反響させないためには、防音対策が必要になるケースもあるため、水回りと個室のレイアウトには工夫や、設計のプロのアドバイスを参考にするのがポイントです。
>関連コラム:2階建て注文住宅で人気の30~50坪間取り|空間デザインのコツを実例で解説
老後にもいい2階リビングの間取り・設備の工夫
最後に、老後にも優しいおしゃれな2階リビングつくるためのコツを紹介します。
自由設計の注文住宅を選ぶなら、長く快適に暮らせる家づくりを目指しましょう。
負担の少ない階段設計
階段移動の負担を軽減するためには、以下のような設計に注意してみましょう。
- 蹴り上げの高さを調節して階段の傾斜を緩やかにする
- 踏み面を広くして安全性を高める
- 手すりを両側に設置する
- 階段は滑りにくい自然素材を採用する
- 階段の途中で休める踊り場のある「かね折れ階段」を採用する
他にも、階段の段数を減らしたり、1階と2階との間にスキップフロアを設けたりするのもおすすめです。
ホームエレベーターの設置を想定した設計
将来的にホームエレベーターの設置をお考えの場合は、新築設計の際に約1畳(2~3人乗り)のスペースを確保しておく必要があります。
2階リビングを採用する場合は、2階フロアの使い勝手や居心地だけでなく、玄関からの動線や1階個室とのつながりにも配慮した、将来性のある設計や間取りづくりを心がけましょう。
1階×2階水回りの配置調整
浴室やキッチンを1階と2階で分ける場合や、トイレを2つ設ける場合など、上下階の水回り配置にも注意が必要です。
できるだけ配管を短く、また水音の反響を抑えるためにも、2階のキッチンや洗面所の真下に浴室、トイレを配置するなど、工夫してみましょう。
将来の介護や老後の生活に備えた、水回り集約間取りで、短い動線で快適に暮らせるプランを検討してみましょう。
>関連コラム:注文住宅の階段デザインの選び方|後悔しない設置場所と種類の決定ポイント
>関連コラム:南玄関の間取りで家事動線を最適化|35~40坪の注文住宅プラン5選
まとめ│2階リビングの魅力を活かした後悔のない家づくり
2階リビングには、多くのメリットがある一方、知らなければ後悔につながるデメリットも存在します。
日当たりの良さや開放的な景色をマイホームで存分に楽しむためにも、想定しうる移動負担や夏の暑さ対策をしっかりして、ご家族のライフスタイルに合うプランを検討してみましょう。
間取り設計はもちろん、水回りの配置など、専門的な知識が必要な部分も多くなるので、プランニングの際には、ぜひプロのアドバイスも参考に家づくりを進めていきましょう。
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