【高気密高断熱住宅に住んでみて分かる】12のメリット・デメリット&6つの注意点
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注文住宅を建築する場合に、夏は涼しく冬は暖かい暮らしを送りたいと願うものです。
温熱環境の優れた住まいを実現するために調べてみると「高気密・高断熱の家」にたどり着きます。
実は高気密高断熱の家は、住んだときにメリットを感じる場合とデメリットを感じる場合があります。
そこで本記事では「住んでみて初めて分かる、高気密高断熱の家のメリット・デメリット」を紹介します。
どんな特徴を持つ住まいなのか、把握してから高気密高断熱を導入しましょう。
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本記事を読んで学べるポイント |
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目次
高気密高断熱住宅に住んでみて分かる「メリット」
はじめに、高気密高断熱の家に住んで感じる「メリット」を紹介します。
外からの熱を中に入れずに、空気の抜け漏れが少ない住まいでは、どんな利点があるのでしょうか。
- 高い省エネ性能で光熱費を節約できる
- 夏涼しく冬暖かい、快適な生活を送れる
- 部屋間の温度差が小さい。ヒートショックも防げる
- 冬場も結露は発生せず健康な生活を送れる
- 計画的に空気が動くので、常に新鮮な空気
- 遮音・防音性能が高く静かな生活を送れる
高い省エネ性能で光熱費を節約できる
断熱性・気密性が高い住まいでは「光熱費を節約」できます。
断熱性能が高ければ、夏は外の熱を侵入させず冬は室内の熱を逃しません。
気密性能が高いことから、室内の空気と外の空気が直接出入りすることもありません。
結果として、冷暖房機器の使用率・強度を下げられ、光熱費が安くなります。
夏涼しく冬暖かい、快適な生活を送れる
断熱性・気密性を高めた住宅では、冷暖房機器をオフにしたあとの室内の温度変化が少ないことから「夏涼しく、冬暖かい生活を送れます」。
特に近年は夏場は異常に高温になるなど、室内で過ごす場合でも体に辛い環境になっています。快適な室内環境を手に入れて、体の負担を減らしましょう。
部屋間の温度差が小さい。ヒートショックも防げる
高気密高断熱の住まいでは「部屋と部屋の温度差が小さいこと」もメリットに挙げられます。
断熱性・気密性が低い住まいでは、エアコンが効いた部屋から廊下に出た瞬間に汗が吹き出すことは珍しくはありません。
こうした不満を感じずに済む可能性があります。
なお、近年高齢者を中心に問題となっている「ヒートショック」(入浴時の急激な温度変化で血圧が乱高下することで生じる体調不良)を防ぐことにもつながります。
冬場も結露は発生せず健康な生活を送れる
断熱性・気密性の高い住まいでは「室内で結露が発生する可能性を抑えられる」メリットもあります。
気密性能が高いことから室外からの湿気の侵入を防ぐことができ、断熱性能が高いことから室内での局所的な温度変化(窓ガラス周辺など)による結露を防ぐことができ、結果として結露の発生を抑えられます。
計画的に空気が動くので、常に新鮮な空気
気密性の高い住まいでは「計画的に空気を移動させられるので、常に新鮮な空気を取り込めます」。
住宅を設計する際、換気扇の位置と吸気口を適切な位置に配置することで、空気が流れる道を作ります。
気密性が低ければ、設定した道の通りに空気が流れず空気が淀む場所が生まれてしまいます。
気密性を高めることで、計画どおりに空気が移動し各部屋に新鮮な空気を送れます。
遮音・防音性能が高く静かな生活を送れる
人や車に起因する騒音の多くは空気の伝達によって生じます。
断熱性の高い住まいでは断熱材や複層ガラスが騒音の伝達を防ぎ、気密性の高い住まいでは「隙間からの騒音の侵入を防いでくれます」。
結果、窓を締め切ったとき、非常に静かな室内環境を実現できるでしょう。
高気密・高断熱の家に住み始めると、こうした様々なメリットを感じながら暮らすことができます。
高気密高断熱住宅に住んでみて分かる「デメリット」
一方で、高気密高断熱住宅に住み始めたとき「デメリット」を感じる場合もあります。
具体的には、以下の6つの場面で感じるでしょう。
- 窓が小さい場合は部屋が暗くなりがち
- 建築する際の費用が高額
- 換気計画が不十分な場合、カビ・ダニが発生する
- 十分に換気しないとシックハウス症候群になる恐れも
- 燃焼系の暖房器具の使用は避けた方がよい
- 冬場は乾燥しすぎる場合がある
窓が小さい場合は部屋が暗くなりがち
窓と壁とでは、壁の方が断熱性能は高くなります。
このため安く断熱性能を高めようとすると、窓を小さく少なくすることになります。
「窓が小さく少なくなると、部屋が暗く」なってしまいます。
樹脂枠の窓やトリプルガラスなど、断熱性能の高い製品を使用することで、断熱性能を確保しながら明るさも実現することは可能です。
建築する際の費用が高額
建築時の「費用が高額になる」こともデメリットとして指摘されます。
高性能な窓や断熱材を使用する高断熱高気密の家では、施工費用の増加は避けられません。
一方で住み始めてからの光熱費は削減できますし、熱中症や風邪、ヒートショックなどの健康被害を避けられるので、長期的に見ると建築費用の増加を超える経済的利点を得られる可能性があります。
また、近年は高性能な住まいに対して高額の補助金を設定している自治体もあるので、補助金も活用すれば、高い性能を持つ住まいを安価に取得できる可能性が高まります。
換気計画が不十分な場合、カビ・ダニが発生する
換気計画が不十分な場合に「カビやダニが発生しやすい」点もデメリットといえます。
高気密な家では、適切な換気計画を立てることで空気が循環して、新鮮な空気が部屋中に行き渡ります。
一方で換気計画が不十分な場合は、隙間から湿気が排出されることもなく、室内で結露が発生しカビ・ダニの温床となる可能性があります。
たくさんの高気密住宅を建築し、適切な換気計画を立てられる業者に依頼することが必要です。
十分に換気しないとシックハウス症候群になる恐れも
適切な換気計画が立てられず十分に換気が行われない場合は「シックハウス症候群になる」恐れも。
シックハウス症候群とは、住宅の建材に含まれる有害物質が人体に悪影響を及ぼすことです。換気を行い排出することで有害物質を排出できるので、シックハウス症候群の面からも適切な換気計画は不可欠です。
燃焼系の暖房器具の使用は避けた方がよい
石油ストーブなど「燃料を燃焼させるタイプの暖房器具を避ける」ことも求められます。
石油ストーブの燃料である灯油は、燃焼することで微量の一酸化炭素を排出します。
気密性の低い住宅であれば、隙間風から一酸化炭素が排出されるので、高気密住宅ほど一酸化炭素による汚染を気にしなくても問題になりづらいもの(それでも、推奨される時間ごとに換気は必要です)。
一方で気密性の高い住宅では、一酸化炭素が室内に留まる割合が多くなるので、使用を控えた方がよいとされます。
冬場は乾燥しすぎる場合がある
高気密高断熱の住まいでは「冬場の過乾燥」が問題になることも。
室温は高くなるほど乾燥が進むので、温度を高く保てる高気密高断熱住宅では、過乾燥を指摘されます。
また、空気中に水分を補充する方法のひとつである燃焼系の暖房器具の使用が勧められていないことも、過乾燥の原因といえます。
加湿器を利用して空気中の水分量を意識的に増やすことで、過乾燥に対処する必要があります。
高気密高断熱住宅を建築する場合の「注意点」
高気密工断熱の住まいを手に入れるなら、ここまで紹介したメリット・デメリットのほかに注意しなければいけない点もあります。
高気密高断熱の施工経験が豊富な業者を選ぶ
1つ目は「施工経験が豊富な業者に依頼する」こと。
高気密高断熱な住まいは慣れた業者とそうでない業者の間で、施工精度に差が生まれます。
結果として気密性・断熱性も業者によって大きく左右されます。
ほかにも適切な空調計画を立てられるかという問題もあるので、施工実績の確認を行う必要があります。
使用する窓・断熱材はしっかり選ぶ
「窓や断熱材の仕様は考えて選択すること」も大事です。
高気密高断熱の住まいでは、窓や断熱材の選択次第で室内の温熱環境が大きく変わるので、納得した仕様を選択して契約することが大切です。
なお、細かな仕様が分からない場合は、温熱環境が心地よいと感じるモデルハウスや見学会場を記録しておき、担当者に相談することをおすすめします。
気密測定を実施している工務店を選ぶ
実際に「気密測定を実施している工務店を選択する」のも手です。
気密測定とは、完成した住まいが所定の気密性能を満たしているかチェックする試験です。
宣伝用の文句として気密性能の高さを宣伝する業者もありますが、実際に計測してみないと正しい気密性能は分かりません。
可能であれば、気密測定を行うことを、ハウスメーカー・工務店に打診してみましょう。
まとめ│高気密高断熱で快適な住環境を
高気密・高断熱の持つ12の特徴、および6つの注意点について解説しました。
CMや雑誌で宣伝されるとき、メリットばかりが先行しがちですが、実はデメリットを感じる可能性はあります。
ただし、デメリットは設計の工夫で解消可能です。
高気密・高断熱の住まいを作り慣れた工務店に依頼して、メリットの最大化・デメリットの最小化の実現をお願いしましょう。
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