京都市の学区はコミュニティや避難の拠点・通学区域とは別
京都は、昔から文化レベルの高い地域です。「大学のまち」とも言われる左京区や日本で最初の学区制小学校「番組小学校」が誕生した中京区など、京都市にはそれぞれの特色を持つ11の区で構成されています。
そして京都の学区には、京都市ならではの歴史があります。現在も、京都市の地域活動は「学区(元学区)」ごとに行われています。
小学校の統廃合が行なわれたため、現在の通学区域と一致しないこともありますが、地域活動の中心であることは変わりありません。始めにその学区の歴史を見ていきましょう。
コラムのポイント |
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目次
京都の学区の歴史
日本では明治12年(1879年)に公布された教育令とその後の改正によって、地域ごとに小学校を設ける為の学区制が定められました。これは国によって定められた学区制度です。
一方、京都ではそれよりも早く明治2年(1869年)に、地元の住民の力で64の小学校が設立されました。
その背景には、京都の復興と京都に続いてきた教育への想いがあります。
京都の復興
明治維新によって天皇や公家は京都を去ることになりました。江戸時代にすでに政治の中心は江戸に、経済の中心は大阪へと移ってはいましたが、天皇や公家が京都を去るということは、さらに京都を衰退させることに繋がり、人口が3分の2にまで減少し、約34万人から約23万人になってしまいました。
加えて、幕末期に幕府に政治改革を迫る諸大名や脱藩浪士たちが起こした「安政の大獄」や「鳥羽伏見の戦い」など数多くの動乱によって、京都の街は壊滅的な被害を受けました。
このような状況の中、京都を復興させる為には学校教育が必要だという想いが、京都に住む人々の間に拡がっていきました。その結果、生まれた小学校が番組小学校です。
京都に続いてきた教育への想い
京都には、番町小学校が誕生する以前に、江戸時代から続く私塾や寺子屋の歴史がありました。子どもに読み書きや算術、洋学、町人の道徳哲学である心学などを習わせることに熱心だったと考えられます。
番組小学校の意味
番組とは、京都の町を区分けする単位のことです。その起源は、室町時代にできた町組に遡ります。町組は戦国時代の京都の治安の悪さに対抗する為に、組織された住民の安全を守る町同士の協力体制です。
この町組が時代の流れを経て、形を変えつつ受け継がれ、明治維新で京都府が設置された際に、番組と名称を変えました。
そして番組ごとに行政や警察、消防の拠点となる町会所を設置しました。この拠点に合わせて設けられた小学校が番組小学校です。学校の運営は、京都府の助力もありましたが、主として番組ごとの住民からの寄付によって賄われていました。
現在では番組は学区という名称に替わりましたが、町組、番組からの仕組みが行政システムに採用され、京都市民にとって必要不可欠な存在として続いています。
番組小学校の特徴
創設された当時の番組小学校には、読み書きや算術の他に、美術工芸に関する授業も多く採り入れられていました。京都には織物や陶芸など美術工芸品を創作するという伝統がありますが、その伝統の担い手となる人々が番組小学校の教育によって数多く誕生しました。
その為、京都には、成功した画家や陶芸家から寄贈された芸術作品を所蔵している小学校が多くあり、小学校に通う子ども達に、美術との自然な触れ合いを与え、情操教育の一環となっていました。
現在では京都市学校歴史博物館にある「学校の宝物」という展示で見学できるようになっています。
学校の宝物
京都の学校には長い歴史の中で,卒業生や地域の人々から寄贈されたものを中心に数多くの美術工芸品が蓄積されています。その中で絵画・工芸品・書蹟などを特に「学校文化財」と呼んでいます。
京都での学区の役割
番組小学校には地域による地域の為の学校という特徴がありましたが、現在の学区(元学区)にも地域に役立つシステムが維持されています。少子化による子どもの減少によって小学校が統合されたりしていますが、学区の統合は行われていず、元学区として、地域のコミュニティとして存続し続けています。
現在の学区(元学区)活動
明治以降,学区の区域の変更などが行われ,戦後,小学校区とそれまでの学区が完全に重ならなくなり,また,近年のドーナツ化現象や少子化の影響で小学校の統合や廃止が行われました。現在,上京区在住の小学生が通う市立小学校は10校で,小学校区割と元学区の区域は異なりますが,各学区での活動は,現在の小学校区にあわせて行事が行われるなどの工夫がされており,“がっく”の垣根を越えての交流も盛んに行われています。
引用:京都市上京区役所 ふれあいいっぱいかみぎょうのがっく/特集2 上京の学区今昔
緊急の避難情報
京都市では、地震や台風などの自然災害が発生した際には、学区単位で避難所が設置され、学区ごとに避難指示が出されます。
地域の催し物
京都市では時代祭や地蔵盆などの行事の維持、運営は学区単位で行われています。その他にも区民運動会や区民祭りが学区ごとに行われています。
街づくり活動
現在では京都市への移住者も増えています。移住者の人々にお祭りや、地域のイベントなど、地域コミュニティに参加してもらう為の街づくり活動も行っています。
京都市の区ごとの学区と通学区域
京都市は11区で構成されていますが、そのそれぞれの区には学区があり、学区ごとに地域のコミュニティが形成されています。そして、京都の学区は小学校の統廃合があった為に、現在の通学区域とは異なる場合があります。
【豆知識】 「学区」について
京都には「学区」と呼ばれる地域自治の単位があり、避難所の開設や高齢者の見守り等、地域の防災や福祉の活動に取り組んでいます。
自治会・町内会と地域の各種団体で構成される組織(自治連合会など)が学区をとりまとめている場合もありますが、運営のしくみは学区により様々です。
学区は京都の地域活動で重要な役割を果たしているため、自治会・町内会は、独自の活動に加え、学区単位の地域活動にも一緒に取り組んでいます。
その為、通学区域を調べる際には、学区別の地域情報を調べる必要があります。住宅を新築する為の土地探しをする際に、子どもの通学地域を確認したいという場合には、京都市学区(元学区)別住まいの子育て環境検索サイトが役立ちます。
左側にあるタブの中から北区、左京区などの11の区のうち、調べたい区を選ぶと、その下のタブに学区名が表示されます。さらにその下にあるカテゴリの中から、小学校を選ぶと該当する小学校が表示されます。
カテゴリの中には、市役所・区役所、児童館、学校、図書館、病院、公園、警察署など、暮らしに必要な項目がすべて揃っているので、簡単に必要な情報を得らえます。
京都での土地探しをされる際には、区と区に属する学区が暮らしに直結すること、そして京都での学区は、全国的な学区とは異なる意味合いを持っていることを参考にしましょう。子育て中には、学区と通学区をそれぞれ確認することも大切です。
区ごとの学校や幼稚園を調べる際には、京都市立学校・幼稚園のホームページ一覧が役立ちます。
子育てに備えての家づくりでは、子どもの教育も住まう場所によって変わってきます。京都市内で、通わせたい公立学校が決まっている場合には、通学区域を確認しましょう。
土地探しに際しては、暮らしの利便性や周辺の自然環境、治安の良さなど、快適な暮らしに必要な条件が求められます。そしてそれらの条件をすべて満たす理想の土地を見つけるということはとても大変です。
京都で土地探しからの家づくりを計画される際には、お気軽にご相談ください。土地探しから住宅の設計建築まで、総合的にお手伝いします。
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