京都の気候は住みにくい?吹き抜けと空調で快適な住宅に!

京都の気候は住みにくい?吹き抜けと空調で快適な住宅に!

京都の気候は、「夏はジメジメと蒸し暑く冬は冷える」ので住みにくいという意見もありますが、春や秋には穏やかで過ごしやすい日々が続きます。

そして最悪な猛暑日や冷え込みの日があったとしても、住宅の性能を高めれば季節を問わず、年間を通して暮らしやすい家は生まれます。さらに吹き抜けのあるリビングや全館空調が快適性を向上させます。

 

京都で吹き抜けのある家を快適にするポイント
  • 吹き抜けのある間取りには京都の気候に合わせた断熱性と気密性が必要です。
  • 断熱性と気密性が不十分な家の吹き抜けは、冷暖房の効率を低下させます。
  • 全館空調と吹き抜けの組み合わせは、家中の空気をきれいにし、快適な室温維持に効果を上げます。

 

京都の気候の年間の特徴

京都の気候

(1991~2020年)30年間の統計による京都の月ごとの気温
平均気温(℃) 日最高気温(℃) 日最低気温(℃)
1月 4.8 9.1 1.5
2月 5.4 10 1.6
3月 8.8 14.1 4.3
4月 14.4 20.1 9.2
5月 19.5 25.1 14.5
6月 23.3 28.1 19.2
7月 27.3 32 23.6
8月 28.5 33.7 24.7
9月 24.4 29.2 20.7
10月 18.4 23.4 14.4
11月 12.5 17.3 8.4
12月 7.2 11.6 3.5

 

2022年6月~2023年4月までの京都の気温
日平均気温 日最高平均気温 日最低平均気温 最高気温 最低気温
2022年
6月 24.4 29.5 20.3 37.2 13.9
7月 28.1 33 24.7 38.6 21.3
8月 29 34.2 25.5 37.7 20
9月 25.9 30.6 22.2 35 16.7
10月 18.1 23.3 14 31.2 8.9
11月 14.1 19.3 9.9 24 6.7
12月 6.4 10.8 2.8 16.1 -1.6
2023年
日平均気温 日最高気温 日最低気温 最高気温 最低気温
1月 5.1 9.5 1.6 14.8 -4
2月 6 10.5 2.4 18.3 -1.3
3月 12.3 18.7 6.7 25.5 2.2
4月 15.4 21.1 10.3 29 4.9

出典:国土交通省 気象庁 過去の気象データ検索

この表を見ると、夏も冬も平均気温が上昇しているようです。京都の夏は風が弱く、蒸し暑くなる盆地気候であることに加え、近年は都市気候化の影響もあって、温度が上昇しています。

一方、冬は昔ほどの冷え込みではなくなったとは言っても、夜間や明け方は冷え込みが厳しいです。2022年12月に、京都市内で氷点下を観測した日、南丹市美山町では12月の観測史上最低となる氷点下6・7度を記録しました。

そのことからも、昔ほどではないと言われていても、年間を通しては寒暖の差が激しい地域であることは間違いありません。このような気候の中に建てる家には、外気温からの影響を受けない室内環境が求められます。

外気温からの影響を受けない室内環境

光が降り注ぐ吹抜リビングとアウトドアリビングのある省エネ快適分譲住宅 モデルハウス

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住宅を新築する際には、日当たりがよくゆったり寛げるリビングや、家事のしやすい間取りなど、家族構成や暮らし方によって、様々な希望があることと思います。家族の理想の間取りやデザインはご家族によって異なり、100の家族がいれば、100通りの理想の家があるはずです。

一方、室内環境の快適さは、どのようなご家族にも必要な要素です。年間を通して温暖な気候が続くという地域と、寒さが厳しい地域、暑さが厳しい地域では、気候に対して異なる新築時の対策が必要です。

特に寒暖の差が大きい京都では、寒さにも暑さにも湿度にも適切な対策が求められます。冬暖かい環境は断熱性と気密性、夏涼しい環境は、断熱性と気密性に加え日射遮蔽も必要です。

さらに、湿度が高くなりやすい京都では調湿が空気環境にも、体感温度にも大きく影響します。

断熱性と気密性

快適に過ごす為にも、無駄なエネルギーを消費しない為にも断熱と気密は欠かせない要素です。現在は断熱性気密性が低い住宅も数多く存在します。ただ、2022年に今までよりも高い断熱等性能等級が新設されたことに加え、2030年度までには段階的に高い断熱性能が義務化されていく予定です。

住宅性能を高める目的は、新築する住宅を快適な住宅にすることが基本ですが、築後何年経っても資産価値が低下し難いという付加価値もあります。

快適さと資産価値という両面から考えると、これからの新築住宅には、新設された断熱等性能等級5~7のうち、6以上を備えることが理想的です。

日射遮蔽

京都市左京区|モデルハウス | 光が降り注ぐ吹抜リビングとアウトドアリビングのある省エネ快適分譲住宅

 

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夏の室温を上昇させないためには、日射遮蔽が必要です。日射遮蔽にはアウターシェードなど、新築後に取り付けができるものもありますが、深い軒や遮熱機能が高い窓など新築時の対策が効果的です。

調湿性

塗り壁の調湿性

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室内の湿度は空気環境と体感温度に影響します。湿度が高くなるとカビやダニで空気が汚されてしまいますが、湿度が適切に調節されていればきれいな空気が維持されます。

また、エアコンで涼しい室内でも、湿度が高いと体感温度が上がり、蒸し暑く感じます。暖房されている室内でも、乾燥しすぎていると体感温度が低下し、肌寒さを感じます。

湿度が高くなれば、アレルギーを発生するリスクが高くなり、乾燥しすぎれば風邪をひきやすくなったり、肌荒れをおこしたりすることを考えると、調湿性は家族の健康にも影響します。室内の調湿性を高める為には、内装に使う塗り壁や無垢材などの自然素材が役立ちます。

吹き抜けのある間取りにデメリット要素を生み出さない住宅性能

吹き抜けのあるリビング

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吹き抜けには、陽射しと風を採り込み開放的な空間を生み出すという魅力がありますが、同時に室温の維持がし難くなる恐れも持っています。

吹き抜けが室内に与える影響
窓の位置に高低差ができる メリット
高い窓からの陽射しが届き、明るい時間帯が長くなる

低い窓からの風が高い窓に抜けていく為、風の通り道が立体的に拡がる

空間が縦にも拡がる メリット
開放的な雰囲気が生まれる

家族の気配が感じられ、コミュニケーションが取りやすくなる

デメリット
エアコンの効率が低下する恐れがある

空間が縦にも拡がることによって生まれる「エアコンの効率が低下する恐れがある」というデメリットは、優れた断熱性と気密性によってメリットに変わります。

断熱性と気密性が高いということは、家中を魔法瓶のような状態にします。魔法瓶のようになっている家の中が、居室ごとに細かく区切られていて、空気が循環しない間取りになっていた場合、複数の冷暖房機器が必要です。

魔法瓶のようになっている家で、吹き抜けや建具の格子などによって「家の中の空気が循環する間取り」であった場合、1台のエアコンで家中に暖かさと涼しさが届きます。

断熱性と気密性の低い家では、できるだけ居室を細かく区切り、居室ごとにエアコンを設置しないと、快適な室温が維持できません。そのような状態で吹き抜けを設ければ、エアコンの効率が低下し、デメリットの多い間取りになってしまいます。

断熱性と気密性の高さ+吹き抜けはメリットの多い間取りになり、断熱性と気密性の不十分さ+吹き抜けはデメリットの多い間取りになってしまいます。

吹き抜けのメリットをより活かす空調方法

高断熱・高気密住宅

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断熱性と気密性を高めれば、吹き抜けにはメリットだけが生まれます。そのメリットをより活かす空調の方法が全館空調です。広い空間であっても断熱性を損なわせない働きをする気密性は、空気を滞らせるというリスクも持っています。

気密性を高めると、窓を開けない限り自然換気は発生しません。その為、気密性の高い住宅には換気システムが備えられます。ところが、その気密性が中途半端であった場合には、換気システムの効率が低下してしまいます。

熱の出入りをさせない為にも、換気システムを効率よく働かせ空気を入れ替える為にも、気密性の高さは重要です。そして、その入れ替わった空気をさらにきれいにして循環させる空調の方法が全館空調です。

全館空調システムは、家中にきれいな空気を循環させ、1台のエアコンで夏は涼しく冬は暖かい室温を少ないエネルギーで維持します。家の中に場所による温度差や時間帯による温度差が生まれません。

廊下や洗面所とリビングの温度差が大きかったり、朝方の冷え込みが厳しかったり、夏帰宅すると家の中がムワッとしていたりすることがありません。常に快適な室温の中で過ごせます。

吹き抜けのある間取りの良さを活かすのか、デメリットにしてしまうのかの分かれ道は、断熱性・気密性の高さと、空調システムの選び方です。吹き抜けのある間取りを計画される際には、住宅性能や冷暖房の方法、空調システムについても並行して進めていきましょう。

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