木造住宅は地震に強い?耐震基準や耐震等級のポイント|木の家の耐震性を高める設計の工夫

地震に強い木造住宅を建てるために押さえておきたい耐震基準・耐震等級のポイント

木造住宅は、軽量でしなやかなため、地震による力を分散させやすいのが特徴です。

鉄筋造などよりも地震に弱いイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、木造住宅は、木材の特性を活かした構造で、優れた耐震性と耐久性を実現させます。

今回は、木造住宅の耐震性や地震に強い新築を建てるために押さえておきたい、耐震基準や耐震等級のポイントを解説します。

希望予算で理想の住まいを叶えるための設計方法も紹介しますので、ご家族の安全と快適な暮らしを守る家づくりの参考にしてみてください。

 

このコラムのポイント
  • 木造住宅では、木材の特性を活かした設計や耐力壁・耐震金物の活用で、より地震に強い構造が実現します。
  • 耐震基準や耐震等級のポイントよく理解して、大地震にも耐えられる安全性の高い家づくりを目指しましょう
  • 地盤の強さや建物の形状を見直して、住まいの耐震性と初期コストのバランスを考えることも大切です。

 

木造住宅は地震に強い?

木造住宅の構造と地震に強い仕組み

>施工事例:京都市左京区|新築|DKC幡枝北

木造住宅は、鉄骨造などと比べて軽量かつ柔軟であるため、地震の揺れによる変形や崩壊リスクを抑えやすい特徴を持っています。

 

木造住宅が地震対策にいい理由

木造住宅を建てる場合、木材の特性である軽さとしなやかさを活かした家づくりが可能なため、地震の揺れを吸収して建物の強度が保たれる、安全性の高い住まいが実現します。

木造住宅が地震に強い理由

  • 地震の揺れを抑える:

木材の軽さとしなやかさ、乾燥により強まる強度が地震の力を効率的に分散させます。

  • 耐火性や耐久性が高い:

木材は燃えると表面に炭化層をつくるため、芯の部分が守られ、地震発生時の火災にも強いのが特徴です。

また、天然木は耐久性にも優れるため、定期的なメンテナンスにより長く安全な住まいを保てます。

  • 快適な温度管理が可能:

木材には、断熱性や調湿効果があるため、四季を通して寒暖差が激しい京都においても、心地いい環境が維持されます。

天然木特有の温かみや香りは、鉄骨造などにはない木造住宅ならではの魅力です。

 

木造住宅が地震に弱いと言われるケース

一方、木造住宅が地震に弱いというイメージがある理由も見ておきましょう。

まず木造住宅は、鉄骨造などと比べて法定耐用年数が短いため、耐久性や耐震性が低いと言われる場合があります。

ただし、実際の施工やメンテナンスにより建物の寿命は変わるため、あくまで減価償却資産として定義される年数であることを押さえておきましょう。

住宅の構造別の法定耐用年数

  • 木造:22年
  • 鉄骨造鉄:19年(骨格材3㎜以下)、27年(骨格材3㎜超4㎜以下)、34年(骨格材4㎜超)
  • 鉄筋コンクリート造:47年

参考:国税庁|主な減価償却資産の耐用年数表

 

また、天然木ならではの性質上シロアリ被害を受けやすく、災害に強い木造住宅を建てるためには、食害対策のための防蟻点検などが必要です。

>関連コラム:木造建築の耐用年数と実際の寿命の違い|長く住める戸建て住宅選びのポイント

>関連コラム:平屋が地震に強い理由と構造の選び方|木造住宅の耐震性を活かした対策ポイント

 

木造住宅の耐震基準と耐震等級

木造住宅の耐震基準と耐震等級について

耐震性に優れた木造住宅を建てるためには、耐震基準と耐震等級について知っておくことが大切です。

 

耐震基準とは

建築基準法に基づく耐震基準は、住宅などの建物が地震に耐えるために必要な最低条件を定めたものです。

日本では、1950年に初めて制定され、1981年に「新耐震基準」(震度6強程度の地震でもただちに倒壊しない)が改正されました。

しかし、1995年の阪神淡路大震災で大きな被害が発生したことを受け、「2000年基準」として新たに、地盤に応じた基礎設計や耐力壁のバランス配置、耐震金物による補強が義務付けられました。

今後新築を建てる場合は、木造であるかに関わらず現行の耐震基準に適合する必要があります。

耐震等級の選び方

耐震等級は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」で定められた「住宅性能表示制度」に応じて1・2・3のランクに振り分けられる等級です。

数字が大きくなるほど耐震性が高いことを示し、現行の建築基準法に基づく「2000年基準」を満たす水準で耐震等級1、その1.5倍の耐震性を備えているのが耐震等級3となっています。

耐震等級1でも人命を守るための現行基準は満たしていますが、今後の大震災や連続した揺れに備えて、ご家族が安全に住み続けるためのレベルを検討することが大切です。

耐震等級に関する詳しい解説は、こちらのコラムも参考にしてみてください。

>関連コラム:耐震等級3とは?耐震性能が高い住宅選びのコツや地震保険割引のポイントも解説

>関連コラム:【2025年施行】建築基準法改正の完全ガイド|家づくりにどんなメリット・デメリットがあるのか?

 

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地震に強い木造住宅の特徴と設計のコツ

地震に強い新築木造住宅を建てるための設計ポイント

木造住宅の耐震性を高めるための設計ポイントもチェックしておきましょう。

 

木造住宅の工法と特徴

木造住宅の工法には、日本の伝統的な建築方法である「軸組工法」と、木製パネルと角材の面を組み合わせる「枠組壁工法」、鉄骨造の主な工法である「ラーメン工法」があります。

それぞれの特徴と地震に対する設計ポイントを押さえましょう。

  • 木造軸組工法(在来工法):

土台となる基礎の上に柱を立て、水平に梁を渡して筋交いで建物を補強する昔ながらの工法です。

間取りの自由度が高く、耐震性にも優れるため、リフォームや増築も可能です。

  • 木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法):

構造用合板と2×4インチなどの角材でつくられたパネルを使って、壁や床、天井の面を建築する工法です。

使用する角材のサイズによって、2×6(ツーバイシックス)工法などと呼び名が変わります。

面で地震や台風などの災害に耐えるため、優れた耐震性と耐風性を保ちます。

ただし、自由度の高い間取りや将来のリフォームをお考えの場合は不向きです。

  • 木造ラーメン工法:

太い柱でつくった長方形の枠を組み合わせた、鉄骨造の工法をもとにした建築で、柱や壁が最小限に抑えられ、大空間や大きな窓が設けられるのが特徴です。

地震に対する力も強い一方、軸組工法や枠組壁工法と比べて建築コストが高額になります。

 

耐震・免震・制震システムの違い

地震に強い木造住宅を実現するためには、耐震、免震、制震システムの違いを理解し、ご家族の家づくりに合った技術を選ぶことが大切です。

  • 耐震:

建物自体の強度を高める方法です。耐力壁や耐震金物を用いて、揺れに強い建物を設計します。

  • 免震:

建物と地盤の間に免震装置を設置し、地震の揺れを伝えにくくする方法です。特に大きな地震が予想される地域において有効とされます。

  • 制震:

揺れを吸収するダンパーを建物内に設置し、地震によるエネルギーを分散させます。新築だけでなく後付けも可能で、揺れによる建物の変形を抑えます。

 

>関連コラム:在来工法の特徴とツーバイフォー工法との見分け方|寿命や価格の比較ポイントを解説

 

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木造住宅の新築コストを抑えた地震対策のポイント

新築コストを抑えて地震に強い木造住宅を建てるコツ

>施工事例:京都市左京区|新築|M様邸

希望予算内で耐震性の高い家を実現させるためには、土地探しや間取り設計などの初期段階から、地震に備えた検討やプランニングが重要です。

 

地盤が強い土地を選ぶ

地震に強い家づくりでまず大切なのが、地盤が強い土地を選ぶことです。

地盤がしっかりしている土地では、地震の揺れによる建物への被害が抑えられます。

建築前は、地盤調査を必ず実施し、地盤改良が必要な場合は早めに計画しておきましょう。

また土地探しの際は、地震リスク情報や自治体のハザードマップなどを活用して、地盤改良が不要な安定したエリアを選ぶのがおすすめです。

シンプルな形状の家にする

住宅の形状や間取りも耐震性に影響します。

例えば、平屋などのシンプルで均整の取れた形状の家は、地震の力が分散されやすく倒壊リスクを減らせます。

不要なもの削ぎ落とした家は、地震に強く建築コストやメンテナンス費用がかかりにくいのもメリットです。

また、間取りにおける耐震性向上のための工夫も検討してみましょう。

例えば、2階リビングは、1階に個室(壁量)が増やせるため耐震性の高い間取りとしておすすめです。

開口部の配置と耐震性のバランス

大きな窓や開放的な間取りを設ける場合は、耐震性を損なわない配置バランスが重要です。

開口部が多いと構造的に建物の耐震性が下がり、地震による力を吸収しきれない可能性があります。

新築の設計段階で、耐力壁の効果的な配置や開口の大きさ、バランスなどを専門家と相談しながら、安全でおしゃれな家づくりを計画しましょう。

また地震の揺れを軽減させるためには、屋根の重さや形状も重要になるため、素材や種類選びにも工夫してみましょう。

>関連コラム:2階リビングのメリットと後悔しやすいポイント|老後にもいい間取りやおすすめ設計を紹介

 

まとめ│地震に強い木造住宅プランで安全性の高い家づくり

地震に強い木造住宅で安全性の高い暮らし

>京都市左京区 | 光が降り注ぐ吹抜リビングとアウトドアリビングのある省エネ快適分譲住宅

木造住宅の耐震性を高めるためには、地震による力を効率よく分散できる設計が欠かせません。

特に、今後の大地震にも耐えうる耐震等級3の採用や、最新の耐震・免震・制震システム導入の検討が大切です。

また、予算内で耐震性向上をはかるため、土地探しや間取り設計にも工夫してみましょう。

無垢の木で注文住宅を建てる場合、職人の木材選定や加工、施工技術により住まいの品質や仕上がりに影響が出る可能性があります。

三都の森では、ご家族の安全で健康的な暮らしを実現させるため、地域特性をよく理解したスタッフが、設計から施工まで自社で一貫して管理・サポートします。

ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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