平屋が暑いのは本当?屋根や壁、窓の断熱設計で夏も冬も快適に過ごせる家づくり
平屋は2階建てよりも外気の影響を受けやすく「暑い?」という声があります。
屋根の面積が広い平屋では、日射熱がそのままリビングや他の間取りに伝わり、室温の上昇につながる場合がありますが、適切な設計・性能選びで年中快適な暮らしは守れます。
今回は、「平屋は暑い」と言われる理由と対策ポイントを見ながら、京都で理想の平屋を実現できるプランを検討してみましょう。
性能だけでなく暮らしやすさやデザイン性が高まる、自然素材の活かし方や間取りの工夫も解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
このコラムのポイント |
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目次
平屋が「暑い」と言われる理由は?
>【断熱等級7・耐震等級3・全館空調の家】the Class ーザ・クラスー モデルハウス
平屋は、段差のない安全で快適な暮らしが実現する利便性の高い間取りですが、建物の構造上「夏の暑さが心配」という声もあります。
まずは、快適な家づくりに必要な対策を立てるためにも「平屋は暑い?」と言われる要因から見ていきましょう。
屋根と居住空間の距離が近い
平屋が、暑くなりやすいとされる1つ目の理由は、屋根と居住空間の距離の近さにあります。
2階建て以上の住まいの場合、上階が屋根に伝わる太陽の熱を緩和する「緩衝帯」の役割を果たします。
しかし平屋の場合は、真夏や日中の太陽光による屋根からの熱がそのままリビングをはじめ、その他の部屋にも伝わり、室温上昇に影響しやすいのがポイントです。
特に、屋根の形状を活かした勾配天井にロフトをつくる場合は、その空間に熱気がこもりやすく、窓からの直射日光や地面からの照り返しがある場合は、さらに暑い環境をつくり出してしまいます。
屋根の面積が広く、外気の影響を受けやすい
また平屋は構造上、単純に同じ延床面積の2階建てよりも屋根の面積が広くなります。
そのため、直射日光や外気温の影響を直接受ける屋根面積が広い平屋は、屋根材の種類や断熱材の性能によっては、夏の室温上昇を抑えにくい場合があります。
風の通り道が少なく熱が滞留しやすい
2階建て以上の間取りと比べて、通常平屋には上下方向に風の流れ道がないため、設計によっては熱がこもりやすく、空気が循環されにくい場合があります。
どの部屋にいても快適な室温で、風通しのいい環境をつくるためには、間取り全体の空気の流れを意識した設計が欠かせません。
特に、窓を開けても風が室内を通り抜けず、一部の部屋で完結するような短絡通風(ショートサーキット)にならないよう、窓の適切な配置にも工夫が必要です。
断熱性・気密性が下がりやすい設計
屋根と居住空間の距離をあける吹き抜けや、風の通り道をつくる開放的な間取りにこだわっても、建物自体の断熱性が低ければ、十分な効果が発揮されません。
また、屋根や壁、床の断熱材の性能を高めても、施工精度や窓の気密性が不十分な場合は、本来の断熱性も活かされません。
そのため平屋に限らず、夏も冬も快適な住まいを実現するためには、まずハウスメーカーや工務店などによって異なる断熱等級や気密性能(C値)の採用グレードや施工技術を確かめることが大切です。
>関連コラム:平屋に最適な屋根デザインと性能ガイド|種類ごとの特徴や外観の印象を詳しく解説
京都の平屋で暑さを防ぐ設計・性能選びのポイント
京都で理想のマイホームを建てるためには、夏の高温多湿や冬の底冷えを対策するための設計が欠かせません。
ここでは、快適な平屋を実現するための断熱・気密・換気の3つのポイントを解説します。
断熱等級・断熱工法選びで屋根や外壁のバリアを強化
太陽光による熱が居住空間に伝わりやすい平屋の構造上のデメリットを解消するためには、屋根や壁、床に高性能な断熱材を導入することが大切です。
断熱性能を高めた住まいでは、寒暖差が激しい京都のような地域でも年中安定した室温が保たれるため、エアコンなどの電気代も抑えられます。
三都の森では、国内最高レベルの断熱性能を示す「断熱等級7」を外断熱+内断熱のW断熱工法を全棟で採用。
建物全体を覆う外断熱と、柱や梁などに密着してすき間をふさぐ内断熱で、外気温による影響を最小限に抑えた高性能な住まいが実現します。
>関連コラム:断熱等級5は不十分?等級6との違いを解説|未来基準の性能選びと建築費・光熱費のバランス
>関連コラム:ダブル断熱とは?メリット・デメリットと「内断熱」「外断熱」工法の特徴を解説
熱の出入りを最小限に抑えるための「c値」確認
どれほど高性能な断熱材を選んでも、すき間や開口部が多い住まいでは、断熱効果も劣ってしまいます。
ハウスメーカーや工務店選びの際は、住宅のC値(相当隙間面積)を確認することで、気密性の目安を確認することが可能です。
熱の出入りが最小限に抑えられるグレードを採用することで、室内の温度ムラ解消はもちろん、エアコン効率の向上にもつながります。
また高気密な住まいは、結露による構造体の劣化や腐朽も防ぎやすく、建物の寿命にも貢献するのが特徴です。
>関連コラム:気密性の高い家のメリット・デメリット|C値基準と湿度・カビ対策のポイントも解説
全館空調の換気計画で快適な空間づくり
高断熱・高気密な住宅では、空気の循環が滞ることによる息苦しさや熱のこもりを解消する必要があります。
全館空調システムは、断熱性と気密性を活かした換気計画で、蒸し暑い夏の湿度を抑え、底冷えの冬は足元から包み込むような暖かい環境を、空気の流れによってつくり出します。
冷暖房設備の設置位置と運転方法、空気の流れを計画することで、京都のような高温多湿な地域でも、エアコン1台でどの部屋にいても年中快適な平屋の実現も可能です。
>関連コラム:全館空調とは?電気代の後悔を防ぐシステム導入のメリット・デメリットと対策を解説
自然素材の調湿効果と手触りを活かしたプラン
平屋の高級感や和の雰囲気を引き立てる無垢材やシラス壁などの自然素材には、天然の調湿作用やヒーリング効果があります。
夏のベタつきや冬の乾燥改善、シックハウス症候群などの健康リスク対策、お子様やご家族が自由に寝そべったり裸足で過ごせたりするのに役立ちます。
高断熱・高気密、通気性のいい環境づくりでは、化学物質を使わず自然素材の力を活かす設計で、ご家族の心や体の健康を守る、より快適で長く愛されるプランの検討がおすすめです。
>関連コラム:自然素材の家にはどんなメリット・デメリットがある?|後悔しない工務店の選び方
外観や間取りでできる暑さ対策と工夫
住宅性能以外にも、間取りや外観デザインの工夫で暑さ対策は可能です。
軒や庇で直射日光を遮る
軒や庇は、日本建築における昔ながらの手法で、直射日光や雨が室内に入り込むのを防ぐ役割を果たします。
高度が低い冬の太陽光を取り込める角度に設計することで、夏場の日射をコントロールしつつ、適度な採光は守られる平屋が実現します。
外観デザインのアクセントにもなるため、地域の日照条件に合わせた、プロによる意匠性と機能性を備えた設計が欠かせません。
窓の性能と位置にこだわる
窓は採光や通風を担う重要なポイントである一方、熱の出入りが特に大きい部分でもあります。
特に近年では、平屋の安定した構造を活かして、大きな窓を採用するケースも増えているため、窓の断熱性や気密性を高めておくことが大切です。
また、立地環境や方角・風向きを活かしたハイサイドライト(高窓)や地窓を取り入れて、間取り全体の日当たりや空気の流れを調整する、エアコンや照明に頼り過ぎない方法もおしゃれです。
中庭や吹き抜けを活かした採光・通風システム
中庭や吹き抜けのある間取りは、シンプルでフラットな平屋の日当たりや風通しが改善できるおすすめのプランです。
外からの風が中庭を介して室内を通り抜ける間取りや、上下に空気が循環する吹き抜けのある平屋では、空調管理システムとの相乗効果で、開放感と快適性が得られる暮らしが実現します。
また、外からの直接的な視線を遮る中庭や吹き抜けに設置する窓は、プライバシーの観点からも理想的です。
>関連コラム:平屋×コの字間取りのメリットとデメリット|高断熱で叶える快適な中庭のある住まい
>関連コラム:吹き抜けや勾配天井が開放的な平屋デザイン|採光とプライバシー保護の両立を実現
暑さだけでなく「寒さ」にも強い平屋を実現
>光が降り注ぐ吹抜リビングとアウトドアリビングのある省エネ快適分譲住宅
夏の「暑さ」を防ぐ断熱性と気密性、空調バランスのいい平屋は、冬の寒さにも対応する住まいです。
冬の寒さが厳しい京都では、洗面脱衣所・浴室や廊下など部屋ごとの温度差が大きくなれば、ヒートショックなどの健康被害も起こりやすくなります。
しかし、新築から断熱性・気密性、空調管理を意識した平屋プランを計画することで、間取りだけでなく、温度のバリアフリー化も可能です。
ぜひ、ご家族の健康と光熱費の節約につながる、夏は涼しく冬は暖かい平屋を実現させましょう。
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>関連コラム:断熱性能が高い住宅のメリット・デメリット|断熱性能等級・UA値の見方と会社選びのコツを解説
>関連コラム:断熱等級7のメリットとデメリット|省エネ性能・快適性・会社選びで後悔しない方法
まとめ│温度のバリアフリー化で暑い夏も寒い冬も快適な平屋
平屋に限らず、マイホームの暑さや寒さは、新築時の性能選びと設計でしっかり対策が可能です。
平屋の構造的な特徴や立地環境、ご家族の暮らしに寄り添いながら、必要な対策を専門家を一緒に講じていきましょう。
三都の森では、快適性・省エネ・デザイン性を兼ね備えた、温度も間取りもバリアフリーで暮らしやすい、本格的な平屋をご提案しています。
断熱等級7のW断熱工法、C値0.5の高気密施工、全館空調・自然素材をふんだんに活用した耐久性の高い家づくりで、京都の厳しい気候の中でも年中快適な暮らしが長く続きます。
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