「断熱等性能等級」の基準と調べ方、最高等級は?断熱等級が高い家の特徴もチェック

断熱等級のチェックと快適で安全な家づくり

住宅の断熱性能を等級で表す「断熱等性能等級」。

四季を通して居心地のいい環境や省エネで冷暖房効率の高いシステム、ヒートショックリスクの軽減などを考慮した、快適で健康的な住まいを建てるために知っておきたい、耐震性能と並ぶ重要な住宅性能基準です。

今回は、断熱等級の基準や調べ方をはじめ、2025年から義務化される等級4について、また等級が高い家の特徴や選ぶべき基準の考え方など、詳しく解説していきます。

 

このコラムのポイント
  • 断熱等級とは?2025年から義務化される新基準について解説します。
  • 家の断熱性能を調べる方法と等級の違い、注意ポイントを押さえておきましょう。
  • 断熱等級が高い家のメリットとデメリット、地域別対策について紹介します。

 

断熱等級の基準と調べ方について

断熱等級の基準と調べ方について

>施工事例:京都市左京区|新築|K様邸

住まいの安心をはかる住宅性能表示制度には、10の分野に分かれた評価基準があります。

①構造の安定

②火災時の安全

③劣化の軽減

④維持管理・更新への配慮

⑤温熱環境・エネルギー消費量

⑥空気環境

⑦光・視環境

⑧音環境

⑨高齢者等への配慮

⑩防犯対策

参考:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会|住宅性能表示制度について(新築住宅の場合)

参考:国土交通省|新築住宅の住宅性能表示制度かんたんガイド

 

この中で「断熱等性能等級」(断熱等級)は、「⑤温熱環境・エネルギー消費量」の分野に属します。

 

断熱等級とは?

断熱等級は、国土交通省が制定する、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)によって規定された省エネ性能を示す等級です。

この断熱等級は、数字が大きいほど「断熱性能が高い」ことを意味します。

断熱等級の改正

断熱等級は、省エネ対策なし(等級1)と1980年の「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」によって定められた等級2のみでした。

その後、1992年の改正で等級3、1999年の改正で等級4が新設され、2000年に今の品確法が定められました。

等級4は、2022年3月までは最高水準とされてきましたが、気候変動問題解決のための世界規模プロジェクト「2050年カーボンニュートラル」を実現するための取り組みとして、同年4月には等級5、10月には等級6・7が新設されました。

2025年から断熱等級4を義務化

そして2025年以降、全ての新築住宅・非住宅に対して断熱等級4以上の性能を満たすことが義務化されます。

これにより、2022年3月まで最高水準であった等級4は実質的に最低基準として扱われるようになります。

さらに、2030年には省エネ基準の水準が引き上げられ、断熱等級5が最低基準になる予定です。

 

参考:国土交通省|省エネ基準適合義務化

 

断熱等級の調べ方

例えば、中古住宅の断熱等級を知る場合、築年数をチェックして住宅性能表示制度が開始された2000年4月以降の物件であるかどうか、またリノベーションなどにより断熱性能が向上しているかどうかなど、販売元に確認することが大切です。

新築の場合は、建築士や住宅会社から「設計住宅性能評価書」「建設住宅性能評価書」の提出と説明を受けて確認する必要があります。

 

>関連コラム:全館空調の家で大切な5つのポイント|ランニングコストを抑えて快適な暮らし

 

断熱等級と性能に関する注意点

断熱等級の高い自由な間取りの自然素材住宅

>施工事例:京都市左京区|モデルハウス|Bayern-S

断熱等級は、住宅の壁や床、屋根の断熱性能(外皮性能)を示す「UA値」「ηAC値」により決められます。

 

断熱等級をチェックする理由

断熱等級は、快適な暮らしを確保するための住宅性能や効果を知るのに役立ちます。

高い断熱性を持つ家は、外気の影響を受けにくく寒暖差の少ない環境が保たれるため、冷暖房効率の向上やランニングコストの節約にもつながります。

また、結露やカビの発生を抑えた健康的な住まいを手に入れるためにも、最適な等級を確認しておくことが重要です。

断熱等級による性能の違い

断熱等級ごとの特徴や性能を見てみましょう。

断熱等級のレベル 特徴・性能
等級7 2022年:「HEAT20 G3」

熱損失等のより著しい削減のための対策が講じられている(暖冷房の一次エネルギー消費量を40%削減)

等級6 2022年:「HEAT20 G2」

熱損失等の著しい削減のための対策講じられている(暖冷房の一次エネルギー消費量を30%削減)

等級5 2022年:「ZEH基準」

熱損失等のより大きな削減のための対策講じられている

等級4 1999年:「次世代省エネ基準」

熱損失等の大きな削減のための対策講じられている(省令で定めた建築物エネルギー消費性能基準相当)

等級3 1992年:「新省エネ基準」

熱損失等の一定程度の削減のための対策講じられている

等級2 1980年:「旧省エネ基準」

熱損失の小さな削減のための対策講じられている

等級1 無断熱

 

>関連コラム:【高気密・高断熱の家で後悔する5つの瞬間】"気持ち悪い・必要ない"言われる理由と対策を解説

 

断熱等級が高い家のメリット・デメリット

地域特性に合わせた家づくりのポイント

>施工事例:京都市左京区|新築|S様邸

次に、断熱等級を高めるメリットとデメリット、注意ポイントを紹介します。

 

断熱等級を上げるメリット

 

快適な室温の維持

高い断熱等級の家では、室内の温度変化が抑制され、寒暖差のない快適な居住環境が維持されます。

省エネ効果

断熱性能向上により、光熱費の節約が可能です。

健康的な暮らし

ヒートショックなど、健康へのリスクが低減します。

補助金や優遇制度の活用

「ZEH基準」や「長期優良住宅」などの高性能住宅を対象とする優遇制度が利用できます。

 

高い断熱等級の家は、暮らしの快適性はもちろん、省エネ効果や健康面での安心にもつながる、家づくりに欠かせない重要なポイントを備えています。

また、補助金や優遇制度を利用することで、建築コストなど経済的な負担も抑えられます。

 

断熱等級を上げるデメリットや注意ポイント

 

建築費用の増加

高性能な断熱材や設備を導入するため、建築トータル費用が高くなります。

通風計画の必要性

高い断熱性能と合わせて、気密性による熱や湿気のこもりを効率的に解消する換気コントロールが重要です。

窓の設計の影響

窓の大きさや種類、配置により断熱性能に影響が出るため、慎重な設計プランが必要です。

信頼できる会社選び

高性能住宅の設計や建設には、経験・知識豊富な建築会社への相談・依頼が欠かせません。

 

高い断熱等級の家を建てるためには、建築費用が高くなることを理解した上で、住まいに合った窓や換気システムをプロのアドバイスも参考にしながら、慎重に選ぶのがおすすめです。

ぜひ、信頼できる依頼先を見つけて、じっくりと相談してみてください。

 

>関連コラム:健康住宅はどんな家?坪単価や評判は?|快適な暮らしづくりのポイントを解説

 

断熱等級と地域性の関係

断熱等級と地域性の関係
>施工事例:京都市左京区|新築|S様邸

断熱等級を決める「UA値」「ηAC値」は、地域ごとの異なる気候条件に応じて、最適な等級がクリアできるよう、地域区分別に定められている値があります。

京都市では、地域区分6に当たる以下の等級が求められます。

断熱等性能等級 UA値(外皮平均熱貫流率 ηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)
7 0.26 W/(㎡・K) 2.8
6 0.46 W/(㎡・K) 2.8
5 0.60 W/(㎡・K) 2.8
4 0.87 W/(㎡・K) 2.8

 

参考:国土交通省|省エネ性能に係るさらなる上位等級(戸建住宅の断熱等級6・7)の基準(評価方法)

 

>関連コラム:温熱環境が地域区分にあう京都新築住宅の性能等級は5・6・7

>関連コラム:京都で断熱等級7の家を建てるハウスメーカーが解説する快適な家

 

まとめ│断熱等級の高い家で年中快適な健康生活

断熱性のある住まいで実現する、あたたかい印象の間取り

>施工事例:京都市左京区|新築|K様邸

断熱等級の高い家は、快適で安心な健康的な暮らしと、経済的な省エネ性能を実現させるために、重要な機能を備えたプランです。

2025年の等級4以上の義務化や、2030年からの等級5以上の適合に備えて、家づくりにおける具体的な対応が求められます。

三都の森では、地域密着型の強みを活かして、お客様の不安や疑問に真摯にお応えいたします。

安心して家づくりを楽しんでいただくためのサポート体制も充実しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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